7月19日(現地)から後半戦が始まったMLB。ここで、世界最高の舞台で戦う日本人選手たちの前半戦を通信簿形式で振り返っておこう。
※評価は「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階
【動画】今永昇太、初のオールスターで1回無失点の好投!
■今永昇太(カブス)
前半戦成績/8勝2敗 防御率2.97 97.0投球回 98奪三振
【通信簿:よくできました】
これだけの活躍を誰が予想できただろう。まばゆいばかりの輝きを放った4月から、月間防御率は0.98→2.67→5.67と徐々に失速し、前半戦だけで酸いも甘いも噛み分けたが、それでも8勝2敗、防御率2.97は立派の一言。スピン量の多い4シームと低めへ投じるスプリッターが投球の9割近を占める投球で、与四球率1.48は90投球回以上のリーグ2位、K/BB6.13は1位。相手がアジャストする中、後半戦も好投に期待がかかる。
■山本由伸(ドジャース)
前半戦成績/6勝2敗 防御率2.92 74.0投球回 84奪三振
【通信簿:まずまずです】
まさかの1回KOとなった韓国でのメジャーデビュー戦後に4連勝を飾り、6月7日のヤンキース戦では球界屈指の強力打線を相手に7回2安打7奪三振の快投。投手史上最長にして最高額契約(12年3億2500万ドル)を引き出しただけある、とアメリカのメディアやファンを納得させた直後に右肩腱板損傷により故障者リスト入りし、戦列復帰は8月中旬以降になる。すでにキャッチボールは再開しており、万全の状態での復帰を望みたい。
■松井裕樹(パドレス)
前半戦成績/3勝2敗 防御率3.79 40.1投球回 40奪三振
【通信簿:まずまずです】
チーム最多の43登板をこなし、クローザー以外は安定感を欠くブルペン陣で勝ちパターン入りしている。長短所はメジャーのマウンドでも変わらず、スプリッターとスライダーは空振り/スウィング率40%超えとキレ味抜群。荒れ球も武器に、40.1回で被本塁打2本のみと球威を示している。一方で、NPB時代の投球を考えるとイニング数と同じ奪三振数には物足りなさも残り、与四球率5.13は要改善。安定感を増して首脳陣の信頼をさらに高めたい。
■前田健太(タイガース)
前半戦成績/2勝5敗 防御率6.88 69.1投球回 55奪三振
【通信簿:がんばりましょう】
トミー・ジョン手術復帰2年目は新天地で完全復活を目指したが、防御率6.88は60投球回以上で両リーグワーストと苦しんだ。7月の2先発で9失点と6失点を喫すると地元メディアから「メジャー最悪の先発投手」と酷評され、その後ブルペンへ配置転換。「先発に戻れるよう頑張るしかない」と語り、前半戦最終登板ではリリーフで3.2回を5奪三振無失点。この好投が復調のきっかけとなるか。
■上沢直之(レッドソックス)
前半戦成績/0勝0敗 防御率2.25 4.0投球回 3奪三振 bWAR0.1
【通信簿:がんばりましょう】
開幕直前ににレイズからレッドソックスへ移り、5月2日のジャイアンツ戦でメジャーデビューを2回完全無失点で飾ると、「そんなに緊張しないかと思っていたが、上がってみたら不思議な感覚に陥った」と初々しく語った。翌日も救援で2イニングスを投げたが、直後に降格。3Aでもいまひとつの投球が続き、7月には40人枠から外された。まずは3Aでしっかり結果を出したい。
■藤浪晋太郎(メッツ)
前半戦成績/-
【通信簿:がんばりましょう】
新天地に移るもオープン戦の大乱調で3Aスタート。そこでも不振に苦しみ、5月には右肩を痛めて離脱した。マイナーでは3Aメインで15試合に投げて防御率8.56。13.2投球回で18三振と持ち味はアピールしているが、それを上回る20四球と著しく安定度を欠いている。千賀との継投リレーが実現した7月の登板でも、無安打に抑えながら3四球と自滅した。メジャー昇格のためには、とにもかくにも無駄な四球を与えないことが重要になる。
■千賀滉大(メッツ)
前半戦成績/―
【通信簿:評価なし】
開幕投手候補にも挙がりながら春季キャンプ序盤に右肩を故障。当初は5月復帰を目指していたがずれ込み、「自分自身、どういう状況なのかがわかっていない」と語った時期もあった。その後ようやくリハビリを開始し、今月上旬には最速97マイルを計測するなど着々と準備は進めている。伝家の宝刀"お化けフォーク"を武器に防御率リーグ2位と好成績を残した右腕の復帰をメッツファンは待ち侘びている。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
【関連記事】リーグ最多29本塁打の大谷は「よくできました」、鈴木誠也と吉田正尚は...【日本人メジャーリーガー前半戦通信簿①】<SLUGGER>
※評価は「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階
【動画】今永昇太、初のオールスターで1回無失点の好投!
■今永昇太(カブス)
前半戦成績/8勝2敗 防御率2.97 97.0投球回 98奪三振
【通信簿:よくできました】
これだけの活躍を誰が予想できただろう。まばゆいばかりの輝きを放った4月から、月間防御率は0.98→2.67→5.67と徐々に失速し、前半戦だけで酸いも甘いも噛み分けたが、それでも8勝2敗、防御率2.97は立派の一言。スピン量の多い4シームと低めへ投じるスプリッターが投球の9割近を占める投球で、与四球率1.48は90投球回以上のリーグ2位、K/BB6.13は1位。相手がアジャストする中、後半戦も好投に期待がかかる。
■山本由伸(ドジャース)
前半戦成績/6勝2敗 防御率2.92 74.0投球回 84奪三振
【通信簿:まずまずです】
まさかの1回KOとなった韓国でのメジャーデビュー戦後に4連勝を飾り、6月7日のヤンキース戦では球界屈指の強力打線を相手に7回2安打7奪三振の快投。投手史上最長にして最高額契約(12年3億2500万ドル)を引き出しただけある、とアメリカのメディアやファンを納得させた直後に右肩腱板損傷により故障者リスト入りし、戦列復帰は8月中旬以降になる。すでにキャッチボールは再開しており、万全の状態での復帰を望みたい。
■松井裕樹(パドレス)
前半戦成績/3勝2敗 防御率3.79 40.1投球回 40奪三振
【通信簿:まずまずです】
チーム最多の43登板をこなし、クローザー以外は安定感を欠くブルペン陣で勝ちパターン入りしている。長短所はメジャーのマウンドでも変わらず、スプリッターとスライダーは空振り/スウィング率40%超えとキレ味抜群。荒れ球も武器に、40.1回で被本塁打2本のみと球威を示している。一方で、NPB時代の投球を考えるとイニング数と同じ奪三振数には物足りなさも残り、与四球率5.13は要改善。安定感を増して首脳陣の信頼をさらに高めたい。
■前田健太(タイガース)
前半戦成績/2勝5敗 防御率6.88 69.1投球回 55奪三振
【通信簿:がんばりましょう】
トミー・ジョン手術復帰2年目は新天地で完全復活を目指したが、防御率6.88は60投球回以上で両リーグワーストと苦しんだ。7月の2先発で9失点と6失点を喫すると地元メディアから「メジャー最悪の先発投手」と酷評され、その後ブルペンへ配置転換。「先発に戻れるよう頑張るしかない」と語り、前半戦最終登板ではリリーフで3.2回を5奪三振無失点。この好投が復調のきっかけとなるか。
■上沢直之(レッドソックス)
前半戦成績/0勝0敗 防御率2.25 4.0投球回 3奪三振 bWAR0.1
【通信簿:がんばりましょう】
開幕直前ににレイズからレッドソックスへ移り、5月2日のジャイアンツ戦でメジャーデビューを2回完全無失点で飾ると、「そんなに緊張しないかと思っていたが、上がってみたら不思議な感覚に陥った」と初々しく語った。翌日も救援で2イニングスを投げたが、直後に降格。3Aでもいまひとつの投球が続き、7月には40人枠から外された。まずは3Aでしっかり結果を出したい。
■藤浪晋太郎(メッツ)
前半戦成績/-
【通信簿:がんばりましょう】
新天地に移るもオープン戦の大乱調で3Aスタート。そこでも不振に苦しみ、5月には右肩を痛めて離脱した。マイナーでは3Aメインで15試合に投げて防御率8.56。13.2投球回で18三振と持ち味はアピールしているが、それを上回る20四球と著しく安定度を欠いている。千賀との継投リレーが実現した7月の登板でも、無安打に抑えながら3四球と自滅した。メジャー昇格のためには、とにもかくにも無駄な四球を与えないことが重要になる。
■千賀滉大(メッツ)
前半戦成績/―
【通信簿:評価なし】
開幕投手候補にも挙がりながら春季キャンプ序盤に右肩を故障。当初は5月復帰を目指していたがずれ込み、「自分自身、どういう状況なのかがわかっていない」と語った時期もあった。その後ようやくリハビリを開始し、今月上旬には最速97マイルを計測するなど着々と準備は進めている。伝家の宝刀"お化けフォーク"を武器に防御率リーグ2位と好成績を残した右腕の復帰をメッツファンは待ち侘びている。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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