プロ野球

来日1年目で球宴選出を果たしたオリックスの助っ人エスピノーザが抱く中嶋監督への感謝「本当に父のように身近な存在」

THE DIGEST編集部

2024.07.22

マイナー時代は超有望株だったエスピノーザ。ジャパニーズ・ドリームをつかもうとしている。写真:野口航志(DsStyle)

 来日1年目の外国人右腕アンダーソン・エスピノーザ(オリックス)が23日から開催される『マイナビオールスターゲーム2024』に監督推薦で選出された。エスピノーザは前半戦、14試合に登板し、7勝5敗、防御率2.19で、7勝はチームトップにしてリーグ2位、防御率はリーグ3位と、怪我人が続出したチームでローテーションを守り続けている。

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 来日した際には「メンタルの強さに自信を持っています。これまでのキャリアを通じていろいろなことを経験し、乗り越えることで強い精神力を培うことができたので、そこは自信がある」とメンタルの強さをアピールしていたが、言葉の通りピンチに陥っても表情は変わらない点が印象的だ。

 ただ、「ノーヒットノーラン」を目標に掲げているだけに、その日最初のヒットを許した時だけは悔しそうな一面を見せる。オープン戦では球種の少なさを指摘する声も少なくなかったが、シーズンが始まるとテンポ良く投げ込んでいくスタイルに加え、縦に微妙な変化を見せるツーシームやスライダーが効果的に決まり出したことで、不安の声は一掃された。

 本人も「ツーシームは練習中にも一番練習していて、常に調整し続けている球種なんだ。最も自信のあるボールでもあるんで、打たれる気がしない」と話していて、後半戦もこのツーシームを軸として、スライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜたピッチングで「ノーヒットノーラン」を狙っていく。
 オールスター選出については「すごく嬉しい気持ちでいっぱいです。オールスター・ゲーム自体が初めてなので、自分を選んでくれた監督をはじめ、いろんな方々に本当に感謝したい。アメリカではオールスターには選ばれなくて、テレビで見る側だったからね」と喜びにあふれた笑顔を浮かべていた。

「1年目からこんなにいい成績を収めるとは自分の中でも思っていなかったので、本当に嬉しく思っている」というエスピノーザ。初の球宴については「まず一番は楽しみたいなと。 オールスターでしか他のチームの選手たちと交流できないので、この機会を本当に楽しみたい」と抱負を語る。

 自身を選んでくれた中嶋聡監督についても「本当にアメリカにいる時から長い付き合いで、本当に父のようでもあるし、おじさんのようで、また時には監督のようでもある。本当に身近にいる大切な存在かと思っています」と全幅の信頼を置いている。

 外国人投手は「10勝の壁」がつきものだが、後半戦もエスピノーザには安定したピッチングで、この壁を簡単に突破してもらいたい。今シーズンはエスピノーザがいなかったら…と思うとゾッとするようなファンにとってもエスピは大きな存在。2度のトミー・ジョン手術を経験した苦労人なだけに、本人が「ノーヒットノーラン」とともに掲げていた「1年間怪我をしないこと」を第一に信頼を置く中嶋監督のもと日本のプロ野球で成功してもらいたい。

構成●THE DIGEST編集部

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