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高校野球

【夏の甲子園有力校番付】4季連続出場の広陵と強力投手陣を擁する報徳学園が両横綱! センバツVの健大高崎はエースの離脱が不安要素<SLUGGER>

西尾典文

2024.08.06

4季連続出場となる名門・広陵。夏では初の全国制覇なるか。写真:THE DIGEST

4季連続出場となる名門・広陵。夏では初の全国制覇なるか。写真:THE DIGEST

 いよいよ8月7日に開幕する夏の甲子園。4日に組合せ抽選が行われ、初戦の対戦カードも決まった。果たして今大会で上位進出を狙えるチームはどこなのか。抽選の結果とは関係なく、純粋なチーム力を番付形式で評価してみたいと思う。

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東横綱 :広陵(広島)     西横綱:報徳学園(兵庫) 
東大関 :大阪桐蔭(大阪)   西大関:健大高崎(群馬)
東関脇 :東海大相模(神奈川) 西関脇:神村学園(鹿児島)
東小結 :花咲徳栄(埼玉)   西小結:青森山田(青森)
東前頭一:中京大中京(愛知)  西前頭一:智弁和歌山(和歌山)
東前頭二:明豊(大分)     西前頭二:京都国際(京都)
東前頭三:関東第一(東東京)  西前頭三:木更津総合(千葉)
東前頭四:花巻東(岩手)    西前頭四:興南(沖縄)
東前頭五:明徳義塾(高知)   西前頭五:滋賀学園(滋賀)

 飛び抜けた存在は不在という印象で、優勝のチャンスがあるチームは多いように見える。その中で第1グループとなりそうなのが広陵、報徳学園、大阪桐蔭、健大高崎、東海大相模の5校だが、投手の安定感と経験のある選手が多いという点から広陵と報徳学園の2校を横綱とした。

 広陵は昨年春から4季連続の出場で、負けた試合でも常に接戦を演じている。投手はエースの高尾響(3年)に加えてサウスポーの山口大樹(3年)が成長し、野手陣もキャッチャーの只石貫太(3年)など経験豊富な選手に下級生の新戦力が台頭してきたこともプラスだ。

 報徳学園も今朝丸裕喜(3年)、間木歩(3年)の二枚看板だけでなく、伊藤巧真(3年)、今堀佑哉(3年)の左腕2人に安定感が出てきた。打線も春から打順を入れ替え、中軸を打つ安井康起(3年)、斉藤佑征(3年)、橋本友樹(2年)が調子を上げている。守備力の高さも大きな武器で、上位進出の可能性は高いだろう。

 続く3校は個々の能力の高さは横綱の2校を上回るが、不安要素があることから大関、関脇の評価とした。大阪桐蔭はエースの平嶋桂知(3年)が調子を落とし、大阪大会の準決勝、決勝は2年生投手の登板となった。守備の不安から選抜で4番を打ったラマル・ギービン・ラタナヤケ(3年)も代打での起用となっている。横綱2校に比べると、大黒柱と言える存在が弱い印象は否めない。
 センバツ優勝の健大高崎はエースの佐藤龍月(2年)が故障でメンバーから外れたのが大きなマイナスだ。他にも力のある投手は揃い、打線も強力だが、春夏連覇への道のりは平坦ではないだろう。

 東海大相模は左の藤田琉生(3年)、右の福田拓翔(2年)という超高校級の投手を2人揃え、打線も上位から下位まで切れ目がない。ただレギュラーに下級生が多く、試合運びに拙い部分が多いのが不安要素である。

 続くのが神村学園、花咲徳栄、青森山田の3校。中でも地方大会の戦いぶりが見事だったのが神村学園だ。センバツでは不調だったエースの今村拓未(3年)が復調。鹿児島大会では4試合に登板して失点0に抑え、チームとしても5試合でわずか3失点と安定していた。野手陣も長打力と機動力を備えており、得点力は高い。3季連続での甲子園というのもプラスだ。

 花咲徳栄はドラフト1位候補の石塚裕惺(3年)を中心とした強力打線が持ち味。投手陣も力のある選手が揃うが、埼玉大会で相手にビッグイニングを作られたのは課題だ。青森山田はエースの関浩一郎(3年)、4番の原田純希(3年)と投打の柱が確立されているのが強み。選抜までは関と並んで投手陣の中心だった桜田朔(3年)が調子を落としているのは気がかりだが、攻守のバランスが良く、上位を狙える戦力を揃えている。

 前頭以降も力のあるチームは多く、中でも明豊、京都国際、関東第一は春夏連続出場で戦いぶりに安定感がある。また中京大中京、智弁和歌山の2校は夏に向けて明らかに調子を上げてきた印象が強い。
 冒頭でも触れたが、例年以上に混戦模様という印象だけに、甲子園でいかに勢いに乗れるか、成長できるかが大きなカギとなりそうだ。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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