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不振に苦しんでいたオリックス紅林弘太郎、“懲罰交代”を機に再び覚醒?「隙を見せたらやっぱり勝てない」【オリ熱コラム2024】

THE DIGEST編集部

2024.08.07

“懲罰交代”が話題を集めた紅林だが、日本球界を代表する大型遊撃手となる可能性を秘める大器だ。写真:野口航志(DsStyle)

「外野フライを打ててるうちは大丈夫ですかね」

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 オリックスの紅林弘太郎は、打率2割8分台を維持していた交流戦明けの頃にこんな話をしていた。確かに、当時に外野に大きな当たりを多く放っていた。その一方でアベレージも残せるようになり、野手ではチーム唯一のオールスターに出場。夏の祭典で初のホームランも放った。

 しかし、オールスター前から不振に苦しみ、7月は打率.135。一時はトップ争いを繰り広げていた得点圏打率も.182とチャンスでも当たりが止まり、中嶋聡監督も「1人止まってるのもいる」と話すなど、深刻な事態に陥っていた。

 そんな中で起こったのが、8月1日の日本ハム戦での紅林にしては珍しい守備の凡ミスによる懲罰交代だ。帰阪した紅林は翌日ファームの練習に参加するも、中嶋監督は登録抹消させることなく、本人と話し合って、2日のロッテ戦はベンチから外すことで、紅林の頭の整理の時間に充てた。このような中嶋監督の選手起用法は就任以来、チームの状況がどんなに悪くても変えていない。選手たちが監督を慕うにはこのようなしっかりとした理由があるのは、周知の事実である。

 1日の休みをもらってから復帰した3日のロッテ戦では、4打数3安打、2打点の大当たり。さすがに思うところがあったのだろう、守備でもファインプレーを見せ、先発の田嶋大樹にバースデー勝利をプレゼントするとともに、チームの連敗を10で止めることに貢献した。
 
「(勝てたのは)とても嬉しいですね。勝ちに貢献するという気持ちでやってました。隙を見せてたらやっぱり勝てないと思うので、隙はこれからもずっと見せないようにちゃんとやりたい」

"懲罰交代"についても「言葉で言ってもしょうがないと思うので、これからの行動で示していきたいなと思います」と、いい意味で吹っ切れた様子だった。

 今年の紅林は昨年のようにあまりフォームを変えず、場面場面によって長打と単打の打ち分けており、昨年まで見られてた外角の球を引っ掛けるような場面も減少した。調子を落としてから見逃し三振が目立っていたのが気にはなっていたが、これも復調するにつれて改善されていくだろう。

 今年11月に開催されるプレミア12で侍ジャパンのメンバーとして選出されること、昨年はわずか1票差で逃したゴールデン・グラブ賞受賞を目標としている紅林。それを叶えるためにも、今後の試合で猛アピールしていく必要がある。

 下がったとはいえども、得点圏打率.318と勝負強さは健在。今シーズン、一度は経験したクリーンアップにも返り咲きたい。22歳の若武者には、常に上を向いてチームを引っ張っていくようなプレーを期待したい。

文●THE DIGEST取材班

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