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MLB

アストロズのサイン盗みにMLBが厳罰! 球団初の世界一をもたらした敏腕GMと監督は解任へ

2020.01.14

球団創設以来初のワールドチャンピオンをもたらしたヒンチ監督(左)とルーノーGM(右)だが、サイン盗み問題の責任を問われて解任された。(C)Getty Images

球団創設以来初のワールドチャンピオンをもたらしたヒンチ監督(左)とルーノーGM(右)だが、サイン盗み問題の責任を問われて解任された。(C)Getty Images

 現地時間1月13日、MLB機構はアストロズのサイン盗みについての処分を発表。AJ・ヒンチ監督とジェフ・ルーノーGMにそれぞれ1年間の出場停止、アストロズには2020年と21年のドラフト1、2巡目指名権剥奪と罰金500万ドルという処分が下された。アストロズはこれを受け、ヒンチ監督とルーノーGMを解任。球界屈指の手腕を誇る監督、GMとして高い評価を受けていた2人はあっけなくチームを去ることになった。

 事件の発端は昨年11月に『ジ・アスレティック』が報じたスクープだった。それによると、アストロズは球団創設以来初の世界一を果たした2017年に、センターのカメラを使って相手チームのサインを「解読」。それをもとに、ダグアウトのごみ箱を叩いて打者に速球か変化球かを知らせていた。

 MLBが処分と同時に発表した調査書によると、サイン盗みを主導したのは、ヒンチ監督でもルーノーGMでもなく、当時ベンチコーチを務めていたアレックス・コーラ(現レッドソックス監督)だった。だが、2人ともサイン盗みの横行自体は知っていながら、積極的に止めようとしなかった、とされている。
 
 アストロズのオーナー、ジム・クラインはMLB機構の処分とは別に自ら監督とGMを解任したことについて、「我々はこの街とこのフランチャイズにより高い基準を設けている」と説明した。一方、ロブ・マンフレッド・コミッショナーはMLB機構による事件の調査書の中で「(アストロズの)編成部の気風は、球団職員への態度、他球団やメディアとの関係に表れていたように非常に問題があった」と断罪。勝利のためなら手段を問わない姿勢を鋭く批判した。

 事件はこれで終わるわけではない。コーラ監督率いるレッドソックスも別のサイン盗みでMLB機構の調査の対象となっていて、アストロズと同じような厳しい処分が下される見込み。コーラ監督の解任は免れないだろう。

 今回の一件に関してのMLBの対応は非常に迅速だった。おそらく、一連のサイン盗みが1918年のワールドシリーズを舞台にした八百長事件「ブラックソックス・スキャンダル」、1990年代後半~2000年代初頭にかけてのステロイド騒動に匹敵する問題であるとの状況認識が関係者の間で共有されているのだろう。

構成●スラッガー編集部
 

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