プロ野球

2020年日本ハムの「理想」のオーダーは?1番・西川、2番・大田は継続。王の成績次第で清宮起用も

氏原英明

2020.01.21

西川、大田(写真)の1、2番コンビは今季も打線の軸だ。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

 キャンプインまであと半月。この時期の楽しみといえば、今季の布陣を夢想することだろう。どうすれば、チームのポテンシャルを最大限に引き出せるのか。ここでは、現在の戦力を分析し、得点力向上が見込める「最良のオーダー」を考察する。

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 西川遥輝、近藤健介が脂の乗った時期に差し掛かり、大田泰示、中田翔のW大砲、レギュラーを完全に掴んだ渡辺諒ら右打者も充実。ここに王柏融、ビヤヌエバの外国人コンビが絡めば、さらなる得点力アップが見込める。

 ビヤヌエバを除いて、昨季のレギュラー陣がそのまま残るので、大きな変化を加えずに戦うのが理想だろう。

 打順は以下だ。

1(中)△西川遥輝 
2(右) 大田泰示 
3(左)△近藤健介 
4(一) 中田翔 
5(指)△王柏融 /△清宮幸太郎
6(二) 渡邉諒 
7(三) ビヤヌエバ 
8(捕) 清水優心 
9(遊)△平沼翔太
※△は左打ち
 
 今年も「2番・大田」は継続すべきだ。一部報道では、中田翔との4番争いが注目されているが、足の早い西川遥輝と大田の1、2番コンビは球界屈指の怖さを持っている。

 いつでも走れる西川とパワーヒッターの大田。変化球を投げれば走られ、真っすぐなら大田の餌食になるかもしれないのだ。この恐怖はシーズンを通して、相手投手に与え続けるべきだろう。

 また、DHは王柏融と清宮幸太郎を併用し、コンディションの良い方を起用したい。来日1年目の昨季は本来の力を発揮できなかった台湾リーグ三冠王だが、少なからず日本プロ野球の水には慣れたはず。競争相手の清宮ともどもポテンシャルは確かで、その才能を開花させる時を辛抱強く待ちたい。

 同じく来日1年目のビヤヌエバも昨季は力を発揮できず、わずか1年で巨人をクビになってしまったが、メジャーで20本塁打をパワーは誰もが知るところ。日ハムの三塁は泣き所で、昨年の得点貢献度はリーグ下位に沈んでいた。2年目で日本の水に慣れたビヤヌエバが、数年前のレアード(現・ロッテ)のように一発長打の打撃に特化して花開く可能性は十分ある。

 下位打線でポイントになるのは、9番の平沼翔太だ。2番・大田、3番・近藤と打点を計算できる戦力が揃う日ハム打線は、9番の出塁次第で得点力アップが見込める。であれば、打率.220・出塁率.278と下降気味の中島卓也より、打率.236・出塁率.291の平沼を、成長の期待値込みで使っていきたい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

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【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。