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プロ野球

【ドラフトで西武が狙うべき選手】花咲徳栄・石塚を筆頭に1~3位はすべて野手を指名してチーム再建の足掛かりにしたい<SLUGGER>

西尾典文

2024.10.20

大学生に混じっても遜色ないバットスピードを誇る石塚。地元埼玉の高校出身ということもプラスポイントになる?写真:THE DIGEST写真部

大学生に混じっても遜色ないバットスピードを誇る石塚。地元埼玉の高校出身ということもプラスポイントになる?写真:THE DIGEST写真部

 いよいよ10月24日にプロ野球ドラフト会議が行われる。各チームの育成状況や弱点を踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。記録的な低迷で最下位に沈んだ西武はどのような戦略で臨むべきだろうか。

【指名方針】
「将来性重視」

【補強ポイント】
●スケールの大きな野手
●即戦力の攻撃型捕手

【理想の指名】
1位:石塚裕惺(内野手/花咲徳栄高)
2位:モイセエフ・ニキータ(外野手/豊川高)
3位:野口泰司(捕手/NTT東日本)

 開幕から大型連敗が続き、圧倒的な最下位に終わった西武。課題は誰が見ても野手だろう。投手陣は高橋光成の低迷はあったものの今井達也、隅田知一郎、ルーキーの武内夏暉とドラフト1位で指名した選手が先発としてしっかり定着しているが、逆に野手はそもそも上位で獲得した選手が少なく、その選手たちも伸び悩みが目立つ。安定したレギュラーはショートの源田壮亮だけで、あらゆるポジションが補強ポイントと言える。いきなり活躍できる野手はなかかないないものの、昨年も支配下で指名した野手は村田怜音だけであり、今年は上位3人まで野手でも良いのではないだろうか。

 まず1位の有力候補は宗山塁(明治大)、渡部聖弥(大阪商業大)、西川史礁(青山学院大)、石塚裕惺(花咲徳栄)の4人。宗山を源田の後釜として指名するというプランもありそうだが、まだ源田は力があり、チーム事情を考えると強打者タイプを狙いたい。
 そこで推したいのが石塚だ。フリー打撃では木製バットで大学生の渡部、西川と遜色ない打球を放ち、打者としての能力の高さは疑いようがない。脚力、肩の強さも十分で内野ならどこでも守れる可能性があるのもプラスだ。早く使える選手ならもちろん渡部、西川だが、今の低迷をすぐ脱することは簡単ではなく、将来を考えて長く中軸を任せられる可能性が高い石塚を優先したい。

 2位で残っていればぜひ狙いたいのが佐々木泰(青山学院大)だ。確実性には少し課題は残るものの、長打力は1位候補に挙げた渡部、西川にも引けを取らない。現在のサードは佐藤龍世、山村崇嘉が少し成長を見せたものの手薄な感は否めず、彼らに代わって一気にレギュラー定着を狙える存在として獲得したい。

 佐々木が残っていなかった場合はポジションに関係なく将来性と打撃に振り切って、モイセエフ・ニキータ(豊川高)を狙うのが良いのではないだろうか。外野手であれば麦谷祐介(富士大)も評価が高いが、年齢が近い外野手には西川愛也、蛭間拓哉などもいるため、モイセエフを優先したい。

 3位で指名したいのが捕手だ。古賀悠斗も成長しているが、完全なレギュラーとしてはまだ心許ない。そこで狙いたいのが野口泰司(NTT東日本)である。確実性と長打力を備え、社会人でも4番を務めるなど打撃が魅力。守備もこの2年で大きく成長した。年齢は古賀と近いが、タイプは異なり、打撃を生かして一塁やDHでの起用も想定できるというのもプラスだ。


文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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