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「2017、18年の世界一はドジャースだ!」LA市会議員がMLB機構に訴えたのはなぜ?

スラッガー編集部

2020.01.17

涙のドジャースファンの訴えは届くのだろうか。(C)Getty Images

 渦中のアストロズによる「サイン盗み」騒動は収まる気配がない。

 先日、MLB機構は、アストロズが電子機器を用いた「違法」なサイン伝達をしていたとして球団GMのジェフ・ルーノー、監督のAJ・ヒンチを1年間の無給処分とし、また2020~21年のドラフト1・2巡目指名権の剥奪、500万ドル(規約に定められた最高額)の罰金を科した。

 その直後、両名は球団から解雇処分となり、また、サイン盗みの中心人物として当時ベンチコーチを務め、18年はワールドシリーズ制覇のレッドソックスを指揮したアレックス・コーラも機構から処分が下される前に退団。オフにメッツの新監督に就任した17年アストロズ優勝メンバーのカルロス・ベルトランに至っては、一度も監督として試合で指揮を執ることなく辞任を申し出ている。

 ここ2年のワールドチャンピオンの不正が明るみになりつつあることで、はらわたが煮えくり返っているのがドジャースだ。2年ともワールドシリーズに出場しながら敗れ、17年は第7戦までもつれながらも優勝に届かなかった。
 
 そこで、現在ロサンゼルス市の市会議員を務めるジル・セディーオ氏は「優勝はドジャースがふさわしかった」として、「ドジャースを世界一に変更する」議案の提出を検討しているという。セディーオ氏は「2017年に最高のチームはどこだった? 2018年は? それはドジャースだ! チート(不正)をしているチームに負けただけだ」と怒り心頭。

 もっとも、アメリカ4大スポーツやカレッジスポーツで優勝が繰り上がったケースは一度もない。一番近い例としては、2004年のカレッジフットボールでUSC(南カリフォルニア大学)が当時、全米優勝戦にも勝利して13戦全勝で優勝したものの、後年にルール違反をとがめられ、7年後にポストシーズンの2勝を剥奪。全米優勝が「記録から削除」されたことがあった(この年の優勝校はなし)。

 17、18年の優勝記録が変更・削除されるか定かではないが、いずれにせよ、まだまだサイン盗みの「膿み」は出てきそうである。

構成●スラッガー編集部

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