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侍ジャパン

「強さにあっぱれ!」上原浩治氏がプレミア12初戴冠の台湾を祝福。一方で、“罰金支払い”で予告先発投手変更の大会規定を疑問視

THE DIGEST編集部

2024.12.01

上原氏(中央)はプレミア12の決勝前に起きた“予告先発変更“に疑問を呈した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

上原氏(中央)はプレミア12の決勝前に起きた“予告先発変更“に疑問を呈した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 侍の苦悩を代弁した。

 元巨人で、メジャーリーグのボストン・レッドソックスなどで活躍した上原浩治氏が12月1日、TBS系の報道番組『サンデーモーニング』に生出演し、先月まで行なわれた野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」で銀メダルに終わった侍ジャパンに労いの言葉をかけた。

 史上初の連覇を狙った日本は開幕から無傷の8連勝で決勝まで駒を進めた。しかし、11月24日の台湾との決勝では4安打完封負けを喫して準優勝。たった1度の敗北で、頂点にあと一歩届かなかった。

 上原氏はまず台湾の強さを称え、「台湾にあっぱれをあげてほしいですね」と主要国際大会で初のタイトルを獲得したアジアの新ライバルを祝福した。次に侍ジャパンについては「シーズン後ということで、メンバー選考がすごい難しいですね」と切り出し、「最初に出てほしい選手に辞退されて、何人も何人も辞退して結局ベストのメンバーでいけたかというと、そうではないんじゃないかと思う」と私見を語った。

 同氏が指摘したように開幕前は村上宗隆(ヤクルト)や岡本和真(巨人)といった4番候補をはじめ伊藤大海、万波中正(ともに日本ハム)、吉川尚輝(巨人)らが怪我で出場を辞退するなど、主力として期待していた選手を招集できず連覇に向け不安の声が上がっていた。周囲の不安を一蹴するかのように井端弘和監督は新4番に森下翔太(阪神)を指名し、全9試合で打率.357、1本塁打、9打点、OPS1.031をマーク。さらに小園海斗(広島)の2番起用やブルペン陣に負担をかけない投手起用など、長いレギュラーシーズンを戦い終えたなかでの短期決戦の手腕を高く評価した。
 
 そして台湾チームが23日の日本戦で予告先発投手を急きょ変更したことについて言及。WBSC(世界野球ソフトボール連盟)に罰金3000ドル(約40万円)を支払ってまで、予告していたエース左腕を大一番にぶつけた台湾側の気迫を「それだけ(日本戦に)気持ちを入れてやっていた」と説明し、勝って涙を流す選手たちの気持ちに寄り添った。

 ただしその直後、「罰金制度の意味が僕にはよく分からない」と口にし、土壇場で先発変更が認められた不可解なルールについて次のように疑問を呈した。

「予選で戦わなくても決勝にいけると分かれば、メンバーを変えますよね。(前日時点まで)台湾はそのときまだ(決勝進出は)決まっていなかったと思うので。だから決めるためにエースをぶつけようと思ったけど、決まったから決勝に持ってくる。それは当たり前のことなので、このルールが今いちよく分からないですね」

 決勝で日本と今大会3度目の顔合わせとなった台湾は、23日のスーパーラウンド第3戦で先発登板する予定だった左腕のリン・ユーミンを当日になって突然、決勝のために温存する奇襲を仕掛けた。WBSCの大会規約では、先発投手の変更に際しては故障などの正当な理由を除き、同連盟が判断しない場合は罰金などのペナルティを受けると記されていた。台湾側の突然の申し立てに日本側は困惑し、主催者であるWBSCに「スポーツマンシップに反する行為だ」と猛抗議したが、同連盟は投手変更を承認。台湾側は罰金を支払うとともに、左腕対策を練っていた日本チームの要請(同じ左腕投手を先発登板させる)をのみ、前日の米国戦で先発した左腕のチェン・ボーチンを”中0日”で登板させる苦肉の策を講じた。

 台湾チームの日本戦にかける”本気度”に理解を示した上原氏。だがその裏で、大会規定の一部ルールには首をひねった。
 
構成●THE DIGEST編集部

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