現地１月23日、日本人初となる米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏が、米ニューヨーク州クーパーズタウンにある殿堂博物館で記者会見に臨んだ。史上２人目となる満票選出にわずか１票足らず日米で波紋が広がったが、同氏は投票を見送った記者にユーモア溢れるメッセージを送り、その内容に賛辞が上がっている。

　会見に現れたイチロー氏は同時に殿堂入りしたCC・サバシア氏、ビリー・ワグナー氏と登壇した。現地21日に発表された米殿堂入りでは、全米野球記者協会（BBWAA）に10年以上在籍する394人の記者から393票（得票率99.7%）を獲得した。自身に投票してくれた記者への感謝を述べたのち、「どうやら投票してもらえなかった方がひとりいるようですが...」と切り出した。

「ぜひ自宅に招待して一緒にお酒を飲みたいので、名乗り出てシアトルまでお越しください」

　イチロー氏のユーモアたっぷりな発言には同席したサバシア氏やワグナー氏も大爆笑。会見に集まった米記者から笑いが起き、和やかな雰囲気に包まれた。米スポーツ専門局『ESPN』は「イチロー・スズキは、殿堂入り投票で自分の名前をチェックしなかった投票者と乾杯したいと考えている」と報道。ニューヨークに拠点を置き、主にメッツを熱心に放送する『SNY』は公式SNSにイチロー氏の言葉を動画つきで拡散した。
  　また、米放送局『FOX Sports』の番組アナリストを務めるベン・バーランダー氏は「イチローは最高だ」と自身のXで反応。稀代の安打製造機の寛大な態度に感服した様子だった。

　アジア勢初となる米殿堂入りを果たしたイチロー氏。野手史上初となる快挙を逃したが、「１票足りないのは、すごく良かった。不完全であるというのはいいこと」と、レジェンドが発した言葉一つひとつに注目が集まっている。

構成●THE DIGEST編集部

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