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侍ジャパン

「2年前だったら考えられなかった舞台」「まさか自分が…」現役ドラフト経験者が語った“日の丸の重み”。26年WBC入りを目指す成り上がり侍

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.03.06

細川(左)と水谷(右)は現役ドラフト経験者として初の侍J入りを果たした。(C)Getty Images

細川(左)と水谷(右)は現役ドラフト経験者として初の侍J入りを果たした。(C)Getty Images

 侍ジャパンの2025年初陣となる強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025」が3月5日に京セラドーム大阪で開催され、オランダ代表との第1戦が行なわれた。日本は初回に水谷瞬(日本ハム)の先頭打者アーチで先制し、6回には髙部瑛斗(ロッテ)が2点適時打、8回には細川成也(中日)と海野隆司(阪神)が3点を加点。投げては先発の宮城大弥(オリックス)が3回をパーフェクトに抑える4奪三振、その後は5人の継投で相手打線を1安打11奪三振に抑える完封リレーで5対0で快勝した。
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 初代表が20人とフレッシュな顔ぶれを揃えた今回の侍ジャパン。なかでも、史上初めて現役ドラフト経験者として日の丸を背負ったスラッガー2人が結果を残した。

 まずは切り込み隊長として指名した水谷が相手先発・ケリーが投じた2球目の直球を鋭くスイングすると、打球はセンター左にぐんぐん伸びていき、そのままスタンドに飛び込んだ。23年の現役ドラフトでソフトバンクから日本ハムに加入し、移籍1年目となった昨季は交流戦で歴代最高打率をマークしてMVPに選ばれるなど、一気にブレイクした23歳の先制パンチが侍ベンチを活気づかせた。

 1点リードの6回は2死満塁とすると、髙部が初球のツーシームをレフト前に運び、欲しかった追加点を奪う。点差を3点に広げると、8回には途中出場の廣瀬隆太(ソフトバンク)が左安打で出塁。オランダ投手の暴投で無死二塁にすると、ここまで3打席2三振と当たりが出なかった細川が3球目の高め速球を左前へ力強く運ぶ適時打でダメを押した。
 
 細川も水谷と同じく23年に現役ドラフトでDeNAから中日に移籍を果たすと、眠っていた才能が一気に開花した。昨季はチーム唯一の全143試合にスタメン出場を果たし、打率.292、23本塁打、67打点と活躍。外野手部門で初のベストナインに選出された。この日はチャンスで凡退しながら終盤でようやくタイムリーが出て、「前の3打席がまったくダメだったので、何とか1本出て良かった。フル出場させてもらって、すごくいい経験になった」と安堵した。

 今でも自身が日本代表のユニホームに袖を通している姿には「まさか自分が...」という思いを抱いているというが、「オランダの投手はボールが手元で動くので。国際大会で言われていることを体感できたことはプラスになったかな」と話し、日の丸戦士として貴重な経験を積んだ。

 一方の水谷は「打った瞬間、行ったかなという気持ちがあった」と初打席初本塁打を振り返り、「2年前だったら考えられなかった舞台。その中で日の丸を背負って立つという感謝の気持ちと、ありがたい気持ちで走った」と記念すべき侍ジャパン初安打を喜んだ。

 現役ドラフトで移籍した選手として初の侍ジャパン入りを果たした水谷と細川。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)まで、代表を選ぶ数少ない強化試合の中で井端弘和監督は連覇を目指すポイントに、「本塁打は必要不可欠」と長打力を挙げている。大砲出現を求める指揮官の期待に応えるかのように成り上がりを目指す若き侍2人がバットで結果を出した。
 
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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