第1試合、第2試合ともに、今大会には珍しい打撃戦となった2025年センバツ第7日目。長打やホームランも多く飛び出した中、最も強いインパクトを残したのは横浜高の阿部葉太(3年・外野手)だろう。
初回の第1打席では低めのストレートを捉え、ライトスタンドに飛び込む先制3ランを放って見せた。打球は右中間の最も深い位置に飛び込むものであり、昨年から導入された新基準の金属バットでそこまで飛ばせるというのは本物の長打力を備えている証拠と言える。1回戦では少し力みも目立ったが、この打席ではチャンスでも上手く上半身の力を抜いて振り切れており、それでいてヘッドスピードも素晴らしいものがあった。
3回の第2打席でもレフトへのタイムリーを放つと、送球の間にセカンドベースを陥れ、続く奥村頼人(3年・外野手兼投手)のツーベースで生還。打撃だけでなく走塁でも力を発揮した。
その後の力んで打席ではノーヒットに倒れ、少し力みの出る悪いクセが顔を見せたが、序盤の猛攻は阿部の打撃と走塁による貢献が非常に大きかったことは間違いない。外野手としての総合力の高さは今大会でもナンバーワンで、準々決勝以降でもチームの命運を握る存在となりそうだ。
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
初回の第1打席では低めのストレートを捉え、ライトスタンドに飛び込む先制3ランを放って見せた。打球は右中間の最も深い位置に飛び込むものであり、昨年から導入された新基準の金属バットでそこまで飛ばせるというのは本物の長打力を備えている証拠と言える。1回戦では少し力みも目立ったが、この打席ではチャンスでも上手く上半身の力を抜いて振り切れており、それでいてヘッドスピードも素晴らしいものがあった。
3回の第2打席でもレフトへのタイムリーを放つと、送球の間にセカンドベースを陥れ、続く奥村頼人(3年・外野手兼投手)のツーベースで生還。打撃だけでなく走塁でも力を発揮した。
その後の力んで打席ではノーヒットに倒れ、少し力みの出る悪いクセが顔を見せたが、序盤の猛攻は阿部の打撃と走塁による貢献が非常に大きかったことは間違いない。外野手としての総合力の高さは今大会でもナンバーワンで、準々決勝以降でもチームの命運を握る存在となりそうだ。
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。