現地4月18日、大谷翔平(ドジャース)が真美子夫人の第一子出産を控え、「Paternity List」、いわゆる「父親リスト」に入ることが発表された。
日本ではなじみが薄いが、MLBでは選手の「産休」が制度されている。2011年の労使協定で導入され、選手は出産の立ち会いや産後のケアのため、最大で3日間チームから離脱することが許可される。
父親リストに登録されている期間中は、故障者リスト(IL)と同じように、40人ロースターに入っているマイナー選手を補充することができる。それ以前も選手が出産立ち会いのため一時チームを離れることはあったが、制度化されたのはこの時が最初だった。
実は、11年の制度導入後初めて「父親リスト」を使用した選手は日本にもなじみの深い投手だ。08~09年に広島で2年続けて奪三振のタイトルを獲得したコルビー・ルイス(当時レンジャーズ)が4月11日に適用第1号となった。
今となっては信じられないが、この時はルイスに少なからぬ批判が浴びせられた。地元紙のコラムニストは「大金をもらっているメジャーリーガーが、たかだか年間30試合しかない登板機会を出産の立ち会いでスキップするのはおかしい」という趣旨の記事を書き、これに同調する球界関係者もいた。
14年に当時メッツで強打の二塁手として活躍していたダニエル・マーフィーが、「父親リスト」に入って開幕戦を欠場した時も、大きな論議が巻き起こった。
この時、マーフィーの妻は帝王切開で出産したのだが、これに対してあるラジオ解説者が「帝王切開で出産するなら、シーズンが始まる前に手術を受けておくべきだ。そんなことで開幕戦を欠場するなんて」と発言し、猛批判を浴びたのだ。
昨年、ドジャースで世界一に貢献したダニエル・ハドソン(引退)も、ナショナルズ時代の19年に「父親産休」で大きな話題を呼んだ。第三子誕生に立ち会うため彼がチームを離脱したのは、何度ポストシーズンの真っ只中。カーディナルスとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第1戦を欠場したハドソンには案の定(?)、批判の声も出た。だが、デーブ・マルティネス監督は「自分も子供の誕生にはすべて立ち会った。奥さんの近くにいてあげることが重要だ」とハドソンの背中を押した。
抑えの切り札を欠いたチームも一致団結し、アニバル・サンチェス、ショーン・ドゥーリトルの活躍で第1戦に快勝。マルティネス監督はハドソンに「子供の名前は『アニバラ・ショーン」にしたらどうだい?」とジョークを飛ばしたという。チームに戻ったハドソンは、ワールドシリーズ第7戦で"胴上げ投手"となり、ナショナルズ創設以来初の世界一に大きく貢献した。
このように、導入からしばらくはドタバタもあった父親リストだが、今では球界にすっかり浸透。中でも"ミスター父親リスト"と呼ぶべきスーパースターがいる。MVPを2度受賞しているブライス・ハーパー(フィリーズ)だ。
19年8月に第一子誕生のため父親リスト入りしたハーパーは、復帰初戦でホームランを放って自ら祝砲。また、昨年4月に第三子が生まれた際にも復帰初戦で本塁打を打っている(第二子は20年オフに誕生)。大谷にも、ハーパーのようなバースデー弾を期待したいところだ。
構成●SLUGGER編集部
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日本ではなじみが薄いが、MLBでは選手の「産休」が制度されている。2011年の労使協定で導入され、選手は出産の立ち会いや産後のケアのため、最大で3日間チームから離脱することが許可される。
父親リストに登録されている期間中は、故障者リスト(IL)と同じように、40人ロースターに入っているマイナー選手を補充することができる。それ以前も選手が出産立ち会いのため一時チームを離れることはあったが、制度化されたのはこの時が最初だった。
実は、11年の制度導入後初めて「父親リスト」を使用した選手は日本にもなじみの深い投手だ。08~09年に広島で2年続けて奪三振のタイトルを獲得したコルビー・ルイス(当時レンジャーズ)が4月11日に適用第1号となった。
今となっては信じられないが、この時はルイスに少なからぬ批判が浴びせられた。地元紙のコラムニストは「大金をもらっているメジャーリーガーが、たかだか年間30試合しかない登板機会を出産の立ち会いでスキップするのはおかしい」という趣旨の記事を書き、これに同調する球界関係者もいた。
14年に当時メッツで強打の二塁手として活躍していたダニエル・マーフィーが、「父親リスト」に入って開幕戦を欠場した時も、大きな論議が巻き起こった。
この時、マーフィーの妻は帝王切開で出産したのだが、これに対してあるラジオ解説者が「帝王切開で出産するなら、シーズンが始まる前に手術を受けておくべきだ。そんなことで開幕戦を欠場するなんて」と発言し、猛批判を浴びたのだ。
昨年、ドジャースで世界一に貢献したダニエル・ハドソン(引退)も、ナショナルズ時代の19年に「父親産休」で大きな話題を呼んだ。第三子誕生に立ち会うため彼がチームを離脱したのは、何度ポストシーズンの真っ只中。カーディナルスとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第1戦を欠場したハドソンには案の定(?)、批判の声も出た。だが、デーブ・マルティネス監督は「自分も子供の誕生にはすべて立ち会った。奥さんの近くにいてあげることが重要だ」とハドソンの背中を押した。
抑えの切り札を欠いたチームも一致団結し、アニバル・サンチェス、ショーン・ドゥーリトルの活躍で第1戦に快勝。マルティネス監督はハドソンに「子供の名前は『アニバラ・ショーン」にしたらどうだい?」とジョークを飛ばしたという。チームに戻ったハドソンは、ワールドシリーズ第7戦で"胴上げ投手"となり、ナショナルズ創設以来初の世界一に大きく貢献した。
このように、導入からしばらくはドタバタもあった父親リストだが、今では球界にすっかり浸透。中でも"ミスター父親リスト"と呼ぶべきスーパースターがいる。MVPを2度受賞しているブライス・ハーパー(フィリーズ)だ。
19年8月に第一子誕生のため父親リスト入りしたハーパーは、復帰初戦でホームランを放って自ら祝砲。また、昨年4月に第三子が生まれた際にも復帰初戦で本塁打を打っている(第二子は20年オフに誕生)。大谷にも、ハーパーのようなバースデー弾を期待したいところだ。
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