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菅野智之の「致命的な弱点」地元メディアが指摘「2勝1敗、防御率3.43。この数字の裏に根深い亀裂が潜んでいる」

THE DIGEST編集部

2025.04.22

4試合の先発登板で2勝1敗、防御率3.43と好成績を残している菅野。(C)Getty Images

「最初の4試合で、2勝1敗。防御率は3.43。数字を見れば、悪くない成績に見える。しかし、その裏には根深い亀裂が潜んでいる」

 ボルティモア・オリオールズの専門メディア『Birds Watcher』が「シーズン序盤の不調な投手陣を支えているのは、ザック・エフリンとメジャー初挑戦となる35歳のルーキー菅野智之だ。菅野はここまで2勝。しかし、メジャーの打者に対するのか、という懸念はいまなお拭えない」と菅野を不安視している。

「菅野の防御率は、米国でも通用することを示しているかもしれないが、高度な指標は別の物語を指摘している。それは、オリオールズのファンとフロントオフィスが無視することができない物語だ」

 同メディアが注目したのは、WHIP(1イニング当たり許した走者の数。1.10未満なら優秀)、三振率だ。

「菅野は21イニングで22安打を許し、WHIPは1.29。これは先発投手の中で下位半分に位置する。しかし、より懸念されるのが三振率だ。9イニング当たりの奪三振数は3.43で、MLB先発投手88人のなかで最下位なのだ。空振り三振の重要性が支配的な現在の球界において、大きな危険信号と言える。空振り三振が奪えないのはとくにア・リーグ東地区においては危険な状況を招く要因となる」

 さらにxERA(期待防御率)にも言及した。「xERAは、彼の投球ぶりを正直に示している。数値は6.42。先発投手のなかで下位9%にランクインしており、つまりこれまでの菅野は実力よりも幸運に恵まれてきたと言える」と指摘している。

「もうひとつの問題は、どの球種も93マイル(約149.6キロ)を超えない点だ。急速重視のリーグにおいて、菅野の投球スタイルは、正確なコントロールと打者のタイミングを外す能力が求められる。狙いが外れた瞬間、痛烈な代償を払うことになるだろう」

【動画】ガーディアンズ相手に2勝目を挙げた菅野の好投!
 
 菅野は投球の精度と球種の多様性を武器に、米国に乗り込んだ。

「6球種を駆使して打者を翻弄する菅野が最も投げているのはスプリット。次いでスイーパー、フォーシーム、カッター、シンカーと、いずれもバランスのとれた範囲で推移している。最も使用率の低いカーブでも13%の確率で投げている」

 このように菅野の投球スタイルを分析した同メディアは、「オリオールズのファンが菅野を応援するのは当然で、彼の成熟度と理路整然としたアプローチには、安心感すら漂っている。しかし、その落ち着きと洗練さゆえに、目の前に横たわるリスクを否定できない。ひとたび制球力が揺らげば、数字を大きく落とす可能性がある」と説明した。

 前回登板となった現地4月17日のクリーブランド・ガーディアンズ戦では、7回87球、被安打5、被本塁打2、3奪三振。2失点を喫したものの、2勝目を挙げて見せた。

 菅野の次回登板は現地23日のワシントン・ナショナルズ戦と予想されている。35歳のルーキーは、結果で地元メディアの不安を払拭できるか。

構成●THE DIGEST編集部

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