MLB1年目、ボルティモア・オリオールズの菅野智之が5回の先発登板で2勝1敗、防御率3.54と奮闘している。オリオールズ専門メディア『Birds Watcher』も、「35歳の新人、菅野はオリオールズで最も信頼できる投手のひとり」と、ここまでの成績を評価した。
しかし、一方であるデータを持ち出して、菅野の先行きに不安を感じている。その指標はxERA(期待防御率。打たれた打球の質、奪三振、与四球などの要素を加味し、実際の防御率よりも投手能力をより客観的に評価する指標)だ。
「菅野の防御率3.54に対して、xERAは6.11とまったく異なる様相を呈している。菅野のxERAは全米で4番目に悪い数値で、実際の防御率より2.57も悪い。ちなみに2024年に防御率とxERAの差が最も大きかったのはヒューストン・アストロズのロネル・ブランコで、その差はわずか1.2だった」
それではなぜ、実際の防御率とxERAの差が重要なのか。
「xERAは打者のコンタクトの質(打球速度と打球角度)を考慮する。そのため、xERAが防御率を上回る場合、その投手は打たれ強いという評価に加え、運よく抑えられたと評することもできる。そして菅野の場合のようなギャップの大きさは、最終的に成績が低迷することを示唆している」
同メディアはさらに防御率とxERAのギャップが大きい理由に奪三振率の低さを挙げた。
【画像】35歳で渡米のオールドルーキー!MLBのマウンドに立つ菅野智之を特集!
「K/9(9回あたりの奪三振率)2.89は全米プロ野球85人の先発投手のなかでワースト。奪三振率が低ければ、当然バットに当たる回数が増え、安打や失点の可能性が高くなることを意味する。しかし、奪三振率の低さだけでは説明できない。なぜなら、三振を奪えない投手は昔から存在してきたからだ。そこで今シーズン、菅野と同じようなK/9ながら、xERAが低い4人の投手をリストアップした(成績は現地4月25日時点)」
菅野智之(オリオールズ)
3.54(防御率)、6.11(xERA)、2.89(K/9)、11.2%(バレル%)
ミッチェル・パーカー(ワシントン・ナショナルズ)
1.39(防御率)、3.36(xERA)、5.57(K/9)、4.2%(バレル%)
ニック・ロドロ(シンシナティ・レッズ)
2.79(防御率)、3.71(xERA)、5.59(K/9)、7.5%(バレル%)
ルイス・セベリーノ(アスレティックス)
3.31(防御率)、4.25(xERA)、6.06(K/9)、7.0%(バレル%)
セス・ルーゴ(カンザスシティ・ロイヤルズ)
3.90(防御率)、4.46(xERA)、6.30(K/9)、6.8%(バレル%)
「パーカー、ロドロ、セベリーノ、ルーゴも菅野と同様に三振に頼っておらず、5人ともK/9で下位12人に入っている。しかし菅野以外の4人はバレル率が低く、xERAもはるかに低い。バレル率が高ければ、最終的により多くの安打と得点を許す可能性があるため、防御率も高くなっていく」
「また、逆もしかりで、ジョー・ライアン(ミネソタ・ツインズ)、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)、ハンター・グリーン(レッズ)はいずれも菅野よりバレル率が高いにもかかわらず、xERAは3.70を下回っている。それぞれ9イニングあたり9.33以上の三振を奪っているため、バレル率の高さを三振数で相殺している」
このように同メディアは、菅野のスタッツを不安視。しかし、「MLBキャリアはまだ始まったばかりで、今後はさまざまな展開が予想される。もしかしたら奪三振マシンとなってこれまでの苦労をすべて吹き飛ばすかもしれないし、1試合平均2奪三振を記録しながら好調を維持するかもしれない」とも記載した。
続けて、「いずれにせよ、こうした傾向が出ている限り、これまで通りのスタイルであれば将来的に成績が低迷する可能性がある」と不安視しながら記事をまとめた。
構成●THE DIGEST編集部
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しかし、一方であるデータを持ち出して、菅野の先行きに不安を感じている。その指標はxERA(期待防御率。打たれた打球の質、奪三振、与四球などの要素を加味し、実際の防御率よりも投手能力をより客観的に評価する指標)だ。
「菅野の防御率3.54に対して、xERAは6.11とまったく異なる様相を呈している。菅野のxERAは全米で4番目に悪い数値で、実際の防御率より2.57も悪い。ちなみに2024年に防御率とxERAの差が最も大きかったのはヒューストン・アストロズのロネル・ブランコで、その差はわずか1.2だった」
それではなぜ、実際の防御率とxERAの差が重要なのか。
「xERAは打者のコンタクトの質(打球速度と打球角度)を考慮する。そのため、xERAが防御率を上回る場合、その投手は打たれ強いという評価に加え、運よく抑えられたと評することもできる。そして菅野の場合のようなギャップの大きさは、最終的に成績が低迷することを示唆している」
同メディアはさらに防御率とxERAのギャップが大きい理由に奪三振率の低さを挙げた。
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「K/9(9回あたりの奪三振率)2.89は全米プロ野球85人の先発投手のなかでワースト。奪三振率が低ければ、当然バットに当たる回数が増え、安打や失点の可能性が高くなることを意味する。しかし、奪三振率の低さだけでは説明できない。なぜなら、三振を奪えない投手は昔から存在してきたからだ。そこで今シーズン、菅野と同じようなK/9ながら、xERAが低い4人の投手をリストアップした(成績は現地4月25日時点)」
菅野智之(オリオールズ)
3.54(防御率)、6.11(xERA)、2.89(K/9)、11.2%(バレル%)
ミッチェル・パーカー(ワシントン・ナショナルズ)
1.39(防御率)、3.36(xERA)、5.57(K/9)、4.2%(バレル%)
ニック・ロドロ(シンシナティ・レッズ)
2.79(防御率)、3.71(xERA)、5.59(K/9)、7.5%(バレル%)
ルイス・セベリーノ(アスレティックス)
3.31(防御率)、4.25(xERA)、6.06(K/9)、7.0%(バレル%)
セス・ルーゴ(カンザスシティ・ロイヤルズ)
3.90(防御率)、4.46(xERA)、6.30(K/9)、6.8%(バレル%)
「パーカー、ロドロ、セベリーノ、ルーゴも菅野と同様に三振に頼っておらず、5人ともK/9で下位12人に入っている。しかし菅野以外の4人はバレル率が低く、xERAもはるかに低い。バレル率が高ければ、最終的により多くの安打と得点を許す可能性があるため、防御率も高くなっていく」
「また、逆もしかりで、ジョー・ライアン(ミネソタ・ツインズ)、マッケンジー・ゴア(ナショナルズ)、ハンター・グリーン(レッズ)はいずれも菅野よりバレル率が高いにもかかわらず、xERAは3.70を下回っている。それぞれ9イニングあたり9.33以上の三振を奪っているため、バレル率の高さを三振数で相殺している」
このように同メディアは、菅野のスタッツを不安視。しかし、「MLBキャリアはまだ始まったばかりで、今後はさまざまな展開が予想される。もしかしたら奪三振マシンとなってこれまでの苦労をすべて吹き飛ばすかもしれないし、1試合平均2奪三振を記録しながら好調を維持するかもしれない」とも記載した。
続けて、「いずれにせよ、こうした傾向が出ている限り、これまで通りのスタイルであれば将来的に成績が低迷する可能性がある」と不安視しながら記事をまとめた。
構成●THE DIGEST編集部
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