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「大谷翔平を翻弄した新球種が見当たらない」7登板で0勝4敗、エンジェルス菊池雄星の課題は「キャリアワーストの“8.17”」米記者指摘

THE DIGEST編集部

2025.05.08

7回の登板で0勝4敗と勝ち星に見放されている菊池。(C)Getty Images

 7試合で0勝4敗、防御率4.21。いまだ勝ち星に恵まれていないロサンゼルス・エンジェルスの菊池雄星に対し、専門メディア『Halo Hangout』のスティーブン・パレロ記者が問題点を指摘した。

「大谷翔平を翻弄した新球種がどこにも見当たらない。オフシーズンの努力は無駄だったのか? 5年半の失望を経て、日本人左腕の菊池は昨シーズン、トロント・ブルージェイズからヒューストン・アストロズへの移籍で生まれ変わった。速球の頻度を減らし、カーブを控えてスライダーを増やし、投球位置を変更する3つの大きな調整を行なったことで、新たな高みに到達した。終盤60イニングで防御率2.70。この活躍にエンジェルスは信頼を寄せ、惜しみない報酬を与えた」

 菊池はエンジェルスに新エースとして加入し、春季キャンプではスイーパーに取り組んだ。スライダーに代わる決め球として採用したスイーパーは、ロサンゼルス・ドジャースとのオープン戦で猛威を振るい、大谷翔平を翻弄。好打者ウィル・スミスから三振を奪った。

「しかし、少数のサンプルで衝撃的な結果を残していたにもかかわらず、シーズン中に投じたのはわずか11球。総投球数の1.7%に過ぎない。空振り率は33%、被打率.000、期待被打率.040、1三振を記録し、シンカー(計3球)も頻度が低い」

 一方で、フォーシームは被打率.348、被長打率.500と低迷し、カーブの被打率は.300、被長打率は.700。スライダーは被打率.217、被長打率.370を記録して、チェンジアップも被打率.250、被長打率.406という結果に終わっている。

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「7試合の成績は防御率4.21、FIP5.04、そして米キャリアワーストのK/9(8.17)と、エンジェルスのファンが期待していたエースの投球にほど遠い成績にとどまっている。最大の課題は、昨年ほど空振りが奪えていないことだ」

 続けてパレロ記者は、「最終的に変化に差がある2つの球種を投げ、そしてスイーパーの使用を増やせば、想像以上に効果的だと証明できるはず。そうすれば、もともと強力なスライダーのパフォーマンスにプラスの影響を与えられる」と記した。

「投球レパートリーの変更が、進化のステップになるかもしれない。願わくばファンが切望するエース級のパフォーマンスを見せてほしい」

 パレロ記者はこのようにまとめ、いまだ勝ち星のない左腕にエールを送った。

構成●THE DIGEST編集部

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