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197.8キロの史上最速弾を放った“スタットキャストの申し子”クルーズは元ドジャース 大谷翔平と競演する世界線もあり得た?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.05.26

桁外れのパワーと強肩を誇るクルーズ。もし今もドジャースに残っていたら...?(C)Getty Images

"スタットキャストの申し子"がまた新たな記録を打ち立てた。

【動画】弾丸ライナーがあっという間に場外へ消えた! クルーズの"史上最速"197.8キロ弾

 5月25日(現地)、パイレーツのオニール・クルーズがブルワーズ戦の3回にローガン・ヘンダーソンから放った打球は、弾丸ライナーで瞬く間にPNCパークの右翼場外へ。ワンバウンドでアレゲニー川へ飛び込んだ。

 打球初速は122.9マイル(約197.8キロ)。2015年にスタットキャストの測定が始まって以降の最速記録となった。

 パイレーツのドン・ケリー監督いわく「場外で良かったよ。もし客席に飛び込んでいたら......」。01年の開場以降、PNCパークでは25年間で83本の場外ホームランが生まれているが、そのうち実に6本がクルーズによるものだ。

 201cm・108kgと堂々たる体躯を誇る"身体能力モンスター"は、これまでにも数々のスタットキャスト記録を樹立している。
 そもそも、今回の一打を放つまでの最速記録保持者も、実はクルーズだった。22年8月4日のブレーブス戦での一打で、この時もライトへ122.4マイル(196.9キロ)の目の覚めるようなライナーを放ち、あまりに打球が速すぎてフェンス直撃のシングルヒットとなった。

 打つだけではない。22年7月14日のマーリンズ戦では、遊撃から97.8マイル(約157.3キロ)の弾丸送球を披露し、内野補殺の最速記録(当時)を更新。さらに昨季は、遊撃から移ったセンターで平均送球速度99.1マイルを記録し、これは全ポジションでトップの数値だった。

 エリー・デラクルーズ(レッズ)と並んで、走攻守で別次元のプレーを見せ続けるクルーズ。実は、元々はドジャースの選手だった。15年7月、16歳の時に契約金95万ドルで入団。17年7月31日に、ベテラン中継ぎ左腕トニー・ワトソンとの交換でパイレーツへ移った。そのトレードさえなければ、大谷翔平との競演で球界を沸かせる"世界線"もあり得たかもしれない?

構成●SLUGGER編集部

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