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高校野球

関東大会制覇を果たした健大高崎が「高校野球の本番」たる夏に向けて目指すさらなる高み<SLUGGER>

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2025.05.29

昨春のセンバツでは大会連覇を目指しながらベスト4で涙を呑んだ健大高崎・青柳監督。監督大会制覇をバネに、夏の甲子園でさらなる高みを目指せるか? 写真:THE DIGEST写真部

昨春のセンバツでは大会連覇を目指しながらベスト4で涙を呑んだ健大高崎・青柳監督。監督大会制覇をバネに、夏の甲子園でさらなる高みを目指せるか? 写真:THE DIGEST写真部

「この大会で優勝しても、夏の甲子園に出られる保証はない。コツコツ練習を重ねて、また夏に群馬県大会を勝ち抜きたい」

 盤石の投手力に強い当たりを連発した打線、それに再三のファインプレーを披露したディフェンス。強豪ぞろいの2025年春季関東大会にあって随所に強みを発揮し、2年ぶり2度目の優勝。健大高崎高の戦力は盤石に見えたが、大会後に青柳博文監督は油断なくそう振り返った。

 石垣元気、佐藤龍月、下重賢慎、それに関東大会で台頭した1年生の石垣聡志。投手力という点で、健大高崎は高校球界でも随一の陣容を誇る。石垣元をクローザーに据えた関東大会でも、4試合で自責点わずか5、チーム防御率1.25。準決勝の山梨学院高戦で一時リードを許した以外、危ない場面はほとんどなかったように見受けられた。

 また、ディフェンスもチームの自慢とするところ。一塁の秋山潤琉、二塁の杉山翔大、三塁の伊藤大地、そして遊撃の加藤大成から成る内野陣は鉄壁で、センターの石田雄星も関東大会準決勝・山梨学院戦の3回に見事なバックホームを披露し、同点を阻止した。「接戦で粘り強く守れたのは収穫」と青柳監督が振り返った通り、再三の好プレーが関東大会を制した一つの要因でもある。
 
 ディフェンス面が話題に上ることも多い中で、関東大会では打線にもいい当たりが出た。リードオフマンを務める石田は積極打法で右に左に好打を飛ばし、大会を通じて17打数11安打(打率.647)。彼が早仕掛けな分、2番・加藤と3番・秋山が粘って相手投手に球数を投げさせ、4番の栗原朋希(13打数7安打)がホームに還す。そんな流れができていた。大会を通じてレフトでスタメン起用された本来は投手の佐藤龍も、決勝の専大松戸戦ではマルチ安打&2打点と手応えを得た。

「(今大会では)いろんな選手を使うことができて、それぞれがそれぞれの強みを発揮した」

 青柳監督が語った通り、それが健大高崎の強みに見えた。

 だが、それでも青柳監督はさらなる高みを目指している。関東大会ではずっとクローザー起用だった“怪物”石垣元をそのままにするのか、それとも先発に持っていくのかはさらに熟考していくという。また、四球や失策などのミスももっと減らしていきたいとも言う。ハイレベルな攻守をさらに引き上げようというのだ。
 
「やっぱり高校野球というのは夏の甲子園に照準を合わせていると思うので。そこで勝ちきれるチームを作らなければいけない」

 青柳監督は、以前話を聞いた時にもそう強調していた。夏の甲子園予選まで残り2ヵ月。健大高崎の研鑽と準備に注目だ。

取材・文●筒居一孝(SLUGGER編集部)
 

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