冷静で華麗な守備。燃えるような打席の執念。宗佑磨が、またグラウンドに帰ってきた。
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7月6日、京セラドームでのロッテ戦。1点ビハインドの3回1死満塁のチャンスで打席に立った宗は、左中間へ逆転打となる2点タイムリーツーベースヒットを放った。
「打ったのはまっすぐです。しっかりと自分のスウィングをすることに集中していましたし、それがいい結果になってくれてよかったです」。ここぞの場面での集中力と勝負強さが戻ってきた。
今シーズン、開幕を一軍で迎えた宗だったが、なかなか調子が上がらず、持ち味である守備でも精彩を欠いた。5月1日に一軍登録を抹消、その後はファームでの調整が続いた。結果が出ない日々。明るい笑顔と陽気な宗が、思い詰めていた。
「何してもうまくいかない。どうしたらいいのかな。このまま終わるんかなって」
昨季まで3年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞してきたホットコーナーは、代わりに廣岡大志が入って活躍を続けていたが、その廣岡が怪我で離脱したタイミングで、再び宗に出番が巡ってきた。
復帰後3試合目となる6月15日の巨人戦では、4安打3打点と大暴れ。5回無死一、三塁の場面で放った同点タイムリーには、こんなコメントを残した。「とにかく思い切って行こうと思っていたので、いい結果になってくれてよかったです」。
数字だけではない。感情を乗せたスウィングこそ、宗佑磨の真骨頂だ。
6月29日、楽天戦。西川龍馬の先頭打者ホームランに続き、宗もアーチを架けた。ボールの行方を見届けた後、飛び跳ねるようにグラウンドを一周。ベンチ前でのガッツポーズにもこの一打に賭ける気迫を感じた。
その姿に、戻ってきた“宗らしさ”を誰もが感じた。期する思いがあったのでは? と問うと、宗らしい熱いひと言が返ってきた。
「あるに決まってるじゃないですか」
感情を、思いを、爆発させた。
ファンの記憶に今も焼き付いているシーンがある。2021年、優勝争い中のロッテ戦で放った涙の同点2ランだ。29日の一発は、あの時の姿を思い出させた。
今回の復調に「きっかけがあったのか」と聞くのは、少し違うのかもしれない。何か特別な技術が加わったというよりは、一軍の空気に戻ってきたことで宗が自分自身を取り戻した、そんな印象が強い。
気持ちの切り替え、そして試合の中での感覚。技術では説明しきれない部分で、彼は自然と鋭いスウィングを取り戻している。
「状態はいいっす。まだいける、まだいける」
バッティングも守備も、すべてがかみ合い始めている印象だ。
「(バッティングだけじゃなくて)全部っす」と力強く答えた言葉が、頼もしい。
昨年7月7日、語った七夕の願いはこうだった。
「自身と家族の健康。おじいちゃんと母親。身体に気をつけて生活してほしいです」
そして、今年もその質問に「同じく」と即答。時に全力で感情を爆発させ、時にこうして家族を想う。
宗佑磨という選手の魅力は、プレーだけでなく、“人間らしさ”全部にある。
勝負はこれからという絶好のタイミングで帰ってきた男。彼の背中にファンの希望を乗せて、バファローズが夏を走り出している。
文:写真●野口航志
著者プロフィール
のぐちこうじ。 1984年、神戸市生まれ。岡山大学卒業。記者とカメラマンの『二刀流』。プロ野球を中心に、社会人野球やプロレス・ボクシングなどの取材や撮影に携わる。ブレーブス時代からのオリックスファン。
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7月6日、京セラドームでのロッテ戦。1点ビハインドの3回1死満塁のチャンスで打席に立った宗は、左中間へ逆転打となる2点タイムリーツーベースヒットを放った。
「打ったのはまっすぐです。しっかりと自分のスウィングをすることに集中していましたし、それがいい結果になってくれてよかったです」。ここぞの場面での集中力と勝負強さが戻ってきた。
今シーズン、開幕を一軍で迎えた宗だったが、なかなか調子が上がらず、持ち味である守備でも精彩を欠いた。5月1日に一軍登録を抹消、その後はファームでの調整が続いた。結果が出ない日々。明るい笑顔と陽気な宗が、思い詰めていた。
「何してもうまくいかない。どうしたらいいのかな。このまま終わるんかなって」
昨季まで3年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞してきたホットコーナーは、代わりに廣岡大志が入って活躍を続けていたが、その廣岡が怪我で離脱したタイミングで、再び宗に出番が巡ってきた。
復帰後3試合目となる6月15日の巨人戦では、4安打3打点と大暴れ。5回無死一、三塁の場面で放った同点タイムリーには、こんなコメントを残した。「とにかく思い切って行こうと思っていたので、いい結果になってくれてよかったです」。
数字だけではない。感情を乗せたスウィングこそ、宗佑磨の真骨頂だ。
6月29日、楽天戦。西川龍馬の先頭打者ホームランに続き、宗もアーチを架けた。ボールの行方を見届けた後、飛び跳ねるようにグラウンドを一周。ベンチ前でのガッツポーズにもこの一打に賭ける気迫を感じた。
その姿に、戻ってきた“宗らしさ”を誰もが感じた。期する思いがあったのでは? と問うと、宗らしい熱いひと言が返ってきた。
「あるに決まってるじゃないですか」
感情を、思いを、爆発させた。
ファンの記憶に今も焼き付いているシーンがある。2021年、優勝争い中のロッテ戦で放った涙の同点2ランだ。29日の一発は、あの時の姿を思い出させた。
今回の復調に「きっかけがあったのか」と聞くのは、少し違うのかもしれない。何か特別な技術が加わったというよりは、一軍の空気に戻ってきたことで宗が自分自身を取り戻した、そんな印象が強い。
気持ちの切り替え、そして試合の中での感覚。技術では説明しきれない部分で、彼は自然と鋭いスウィングを取り戻している。
「状態はいいっす。まだいける、まだいける」
バッティングも守備も、すべてがかみ合い始めている印象だ。
「(バッティングだけじゃなくて)全部っす」と力強く答えた言葉が、頼もしい。
昨年7月7日、語った七夕の願いはこうだった。
「自身と家族の健康。おじいちゃんと母親。身体に気をつけて生活してほしいです」
そして、今年もその質問に「同じく」と即答。時に全力で感情を爆発させ、時にこうして家族を想う。
宗佑磨という選手の魅力は、プレーだけでなく、“人間らしさ”全部にある。
勝負はこれからという絶好のタイミングで帰ってきた男。彼の背中にファンの希望を乗せて、バファローズが夏を走り出している。
文:写真●野口航志
著者プロフィール
のぐちこうじ。 1984年、神戸市生まれ。岡山大学卒業。記者とカメラマンの『二刀流』。プロ野球を中心に、社会人野球やプロレス・ボクシングなどの取材や撮影に携わる。ブレーブス時代からのオリックスファン。
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