オリックスの九里亜蓮が交流戦明けの6月27日、楽天戦で今季6勝目をマークした。この6月は九里にとって節目の月でもあった。FA移籍後、パ・リーグの投手として初の交流戦に登板し、通算1000奪三振も達成するなど、経験と安定感が光る。
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気迫と気持ちで攻め、背中で見せる。そんな九里を語る上で欠かせないルーツの1つが“プロレス愛”だ。カープ時代から筋金入りのファンで、とりわかけ人気レスラーの内藤哲也との交流はよく知られている。内藤は大のカープファンでもあり、知人を介して親交が始まり、一時期は九里の登板時に内藤の入場曲『STARDUST』が使用されていたこともある。お互いを「パレハ(=仲間・相棒)」と呼び合う関係性は、スポーツを超えた信頼の証だ。
昨年オフ、九里がFAでオリックス移籍を決断した際、内藤は「九里投手の決断した意思を尊重して、活躍を楽しみにしている」とエールを送った。そんな内藤が先日、新日本プロレスを電撃退団。次の動向が注目される中、「(次の動向とか)そういうのが分かってから連絡しようかな。また何か新しい道を模索されてるんだと思います。僕も次の(内藤選手のアクションの)ことに関しては気にして見てます。気持ち早く知りたいなと思いつつ」と語る九里の口調には、相手を思いやるプロとしての配慮と絆がにじんでいた。
「オリックスの九里亜蓮」を観に来てほしいかとの問いには「それはありますね」と笑顔。2025年、偶然にもそれぞれが新天地に旅立った中で、「また新しい位置で一緒に頑張っていければいいかなと思います」と、変わらぬ“パレハ”への思いをのぞかせた。 そして今、九里が新たに注目しているレスラーがいる。DDTプロレスリング、新日本プロレス、そしてアメリカのAEWという三大団体に所属する異色の存在、竹下幸之介だ。
「エグくないですか ちょっと一人だけ」と、世界をまたにかける規格外のスタイルに目を奪われている様子。現地観戦こそまだしていないが、「観に行きたいっすね」と語る表情は、登板中とは違うプロレス好きの少年のようだった。
オリックスに加入した今シーズン、九里は若いチームに新しい風を吹き込んでいる。そのエポソードの一つが背番号「18」を背負うエース・宮城大弥との関係性だ。春季キャンプから九里に感化された宮城は、投げ込みの量が増え、明らかに投手としての意識が変化した。年齢もキャリアも異なる投手同士が刺激し合う相乗効果を生んでいる。
さらに九里は、勝敗に関係なく登板時には1イニングでも多く投げる覚悟で臨む。故障者や不調者が相次ぐ今季のオリックス中継ぎ陣にとって、九里が長いイニングをこなすことが何よりの助けとなっている。数年前よりオリックスでは当たり前になっている「原則3連投させない」中継ぎ陣の起用法の中で、先発が1イニングでも長く投げることは、その日の試合だけでなくカード全体の戦術にも直結する。見えない部分での貢献も、今の九里の真価だ。
岸田護監督も「頼りになる」と信頼を寄せるベテラン右腕。現在、チームは首位日本ハムに2.5ゲーム差の2位につけている。勝負の夏、マウンド上で闘う九里に、そしてリング上の“パレハ”に視線を注ぎたい。
文:写真●野口航志
著者プロフィール:野口航志(ノグチコウジ) 1984年、神戸市生まれ。岡山大学卒業。記者とカメラマンの『二刀流』。プロ野球を中心に、社会人野球やプロレス・ボクシングなどの取材や撮影に携わる。ブレーブス時代からのオリックスファン。
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昨年オフ、九里がFAでオリックス移籍を決断した際、内藤は「九里投手の決断した意思を尊重して、活躍を楽しみにしている」とエールを送った。そんな内藤が先日、新日本プロレスを電撃退団。次の動向が注目される中、「(次の動向とか)そういうのが分かってから連絡しようかな。また何か新しい道を模索されてるんだと思います。僕も次の(内藤選手のアクションの)ことに関しては気にして見てます。気持ち早く知りたいなと思いつつ」と語る九里の口調には、相手を思いやるプロとしての配慮と絆がにじんでいた。
「オリックスの九里亜蓮」を観に来てほしいかとの問いには「それはありますね」と笑顔。2025年、偶然にもそれぞれが新天地に旅立った中で、「また新しい位置で一緒に頑張っていければいいかなと思います」と、変わらぬ“パレハ”への思いをのぞかせた。 そして今、九里が新たに注目しているレスラーがいる。DDTプロレスリング、新日本プロレス、そしてアメリカのAEWという三大団体に所属する異色の存在、竹下幸之介だ。
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オリックスに加入した今シーズン、九里は若いチームに新しい風を吹き込んでいる。そのエポソードの一つが背番号「18」を背負うエース・宮城大弥との関係性だ。春季キャンプから九里に感化された宮城は、投げ込みの量が増え、明らかに投手としての意識が変化した。年齢もキャリアも異なる投手同士が刺激し合う相乗効果を生んでいる。
さらに九里は、勝敗に関係なく登板時には1イニングでも多く投げる覚悟で臨む。故障者や不調者が相次ぐ今季のオリックス中継ぎ陣にとって、九里が長いイニングをこなすことが何よりの助けとなっている。数年前よりオリックスでは当たり前になっている「原則3連投させない」中継ぎ陣の起用法の中で、先発が1イニングでも長く投げることは、その日の試合だけでなくカード全体の戦術にも直結する。見えない部分での貢献も、今の九里の真価だ。
岸田護監督も「頼りになる」と信頼を寄せるベテラン右腕。現在、チームは首位日本ハムに2.5ゲーム差の2位につけている。勝負の夏、マウンド上で闘う九里に、そしてリング上の“パレハ”に視線を注ぎたい。
文:写真●野口航志
著者プロフィール:野口航志(ノグチコウジ) 1984年、神戸市生まれ。岡山大学卒業。記者とカメラマンの『二刀流』。プロ野球を中心に、社会人野球やプロレス・ボクシングなどの取材や撮影に携わる。ブレーブス時代からのオリックスファン。
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