一般に左投手のピッチングは角度のあるストレート、あるいはスライダーを外角に投じることで効果を発揮することが多い。インコースに関しては、ストレートを投げ切るか、もしくはツーシームやチェンジアップのような球種が武器になるが、それがしっかりできる投手は少ない。
いわば、左対左は配球のほとんどが外になりやすい。たとえ岡田監督の言葉を裏切るようなインコースに投げ込んできたとしても、それはストレートに限られる。
先制点を挙げた高田は話す。
「僕もインコースは切ってました。外のストレートと変化球をどう見極めるかだったんで、それを逆方向に打ち返していきました」
花巻東の左打者がなかなか右投手の木下を捉え切れない中、東洋大姫路は左打者が萬谷を次々と攻略していった。左投手の特徴を理解したことによる見事な打撃だった。
「センバツの時には左投手に苦労したので、それが生きたと思います」
白鳥はそう言って喜んだ。
今大会は沖縄尚学の末吉良丞や、昨年夏の覇者・京都国際の西村一毅など左の好投手を擁するチームが相次いで3回戦進出を決めている。そんな中、元阪神の左のスラッガー桧山進次郎が名前の由来という白鳥翔哉真(ひやま)は、2試合で8打数5安打6打点と絶好調を維持している。彼が引っ張る東洋大姫路打線は他の左の好投手たちをも粉砕してしまいそうな巧さがある。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
【記事】「自分が打って何とかしようと思った」カウント3-0からのフルスウィングは無残にも...チームの中心・橋本とともに散った鳴門<SLUGGER>
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取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
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うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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