一方、アメリカにルーツの選手たちもいる。チームのキャプテンはレオナルド・レギナート。35歳のベテラン選手で、13年WBCにも出場した。ベネズエラやメキシコなどのリーグでプロとしてのプレーした経験を持ち、25年にはメキシコリーグで自己最多となる16本塁打を記録した。レギナートはチームの魂であり、ロッカールームのリーダーだ。
コロラド・ロッキーズの強打者だったダンテ・ビシェットの息子、ダンテ・ビシェットJr.は32歳。弟にはトロント・ブルージェイズのボー・ビシェット(今大会は出場辞退)がいる。ダンテJr.は、11年のMLBドラフトでニューヨーク・ヤンキースから1巡目で指名され、17年までヤンキースの組織でプレー。19年はナショナルズのマイナーで1年間過ごし、現在はメキシコリーグでプレーしている。
ルーカス・ラミレスも重要な選手のひとり。MLB史上最高の打者の一人であるマニー・ラミレスの息子だ。ルーカスは現在20歳で2024年のドラフトでロサンゼルス・エンジェルスから指名。今回のWBCは彼の実力を示す最初の大きなチャンスとなるだろう。
ブラジルには元MLB投手ホセ・コントレラスの息子、ジョセフ・コントレラスもいる。ジョセフはわずか17歳、ジョージア州の高校に在学中の高校生だが、アメリカのドラフト前シーズンランキングでは34位にランクインしている。武器は最高158キロの速球で、フォークも鋭い。今大会の最年少選手となるだろう。
現役時代に捕手だったヤン・ゴメスは、ブラジル人選手のMLBでのパイオニア的存在。19年にワシントン・ナショナルズのワールドシリーズ優勝に貢献し、MLBの2人目のブラジル人チャンピオンとなった。今大会では捕手コーチとしてチームを支える。
WBCのブラジル代表の最大の目標は準々決勝に駒を進めることだが、同居する国を見る限り、容易ではない。より現実的な目標は、最下位を回避することだろう。そうすれば30年大会の出場権が自動的に保証される。そのためには、ブラジルはまずイタリアと英国に勝たなければいけない。これらの試合が大きな鍵となるだろう。
ブラジル代表チームには、国際的な経験を持つ選手、新進気鋭の若手選手、そして何より、ブラジルの野球が尊敬に値すると証明したい強い意欲を持った選手たちが揃っている。出場2度目の今大会で目指すのは、前回の13年大会で果たせなかった本大会初勝利だ。
ブラジル代表が試合に臨むとき、彼らは黄緑色の国旗だけでなく、太陽の国に野球の種をまいた日本人コミュニティーの不滅の遺産も携えている。ブラジルの野球は「日本人の心」と「ブラジル人の魂」が融合したもので、加えて世界を見据えた野心も備える。こうしたユニークな組み合わせが、ブラジル野球チームの物語をより美しく、そして語り継ぐ価値のあるものにしているのだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/1963年8月29日生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。ジャーナリストとして中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材した後、社会学としてサッカーを研究。スポーツジャーナリストに転身する。8か国語を操る語学力を駆使し、世界中を飛び回って現場を取材。多数のメディアで活躍する。FIFAの広報担当なども務め、ジーコやカフー、ドゥンガらとの親交も厚い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授として大学で教鞭も執っている。
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ブラジルには元MLB投手ホセ・コントレラスの息子、ジョセフ・コントレラスもいる。ジョセフはわずか17歳、ジョージア州の高校に在学中の高校生だが、アメリカのドラフト前シーズンランキングでは34位にランクインしている。武器は最高158キロの速球で、フォークも鋭い。今大会の最年少選手となるだろう。
現役時代に捕手だったヤン・ゴメスは、ブラジル人選手のMLBでのパイオニア的存在。19年にワシントン・ナショナルズのワールドシリーズ優勝に貢献し、MLBの2人目のブラジル人チャンピオンとなった。今大会では捕手コーチとしてチームを支える。
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ブラジル代表チームには、国際的な経験を持つ選手、新進気鋭の若手選手、そして何より、ブラジルの野球が尊敬に値すると証明したい強い意欲を持った選手たちが揃っている。出場2度目の今大会で目指すのは、前回の13年大会で果たせなかった本大会初勝利だ。
ブラジル代表が試合に臨むとき、彼らは黄緑色の国旗だけでなく、太陽の国に野球の種をまいた日本人コミュニティーの不滅の遺産も携えている。ブラジルの野球は「日本人の心」と「ブラジル人の魂」が融合したもので、加えて世界を見据えた野心も備える。こうしたユニークな組み合わせが、ブラジル野球チームの物語をより美しく、そして語り継ぐ価値のあるものにしているのだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/1963年8月29日生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。ジャーナリストとして中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材した後、社会学としてサッカーを研究。スポーツジャーナリストに転身する。8か国語を操る語学力を駆使し、世界中を飛び回って現場を取材。多数のメディアで活躍する。FIFAの広報担当なども務め、ジーコやカフー、ドゥンガらとの親交も厚い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授として大学で教鞭も執っている。
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