巨人は未知数な部分が多く、オープン戦でも結果が出ていない。投手陣では菅野智之は計算できるものの、二番手に誰が来るのか。サンチェスは韓国でプレーしていたので、まずまずの結果は残せるだろう。ただ、戸郷翔征や高田萌生、鍬原拓也、桜井俊貴といった若手の有望株は、現時点で勝ち星を計算するのが難しい。また、中継ぎ陣にも不安があるため、パーラを加えた強力打線と原辰徳監督の采配で勝ち星を拾っていくことになるはずだ。
対して、阪神は藤川球児をはじめとする中継ぎ陣が抜群だ。先発でも高橋遥人が台頭し、新外国人のガンケルやスアレスにも目途が立った。とはいえ、阪神は広い甲子園が本拠地だ。打線には長距離砲が不可欠で、マルテや新戦力のボーアなどの外国人が上手く機能しないと優勝は近づいてこないだろう。
そして広島は、私も現役時代に一緒に戦ってきた佐々岡真司という男が、今シーズンから監督としてスタートする。佐々岡監督について最初に感じたのは、 “運がある男”だということだ。なにせ、菊池涼介、會澤翼、野村祐輔のFA3人組がすべて残留したのである。加えて、ピレラやDJ・ジョンソン、スコットといった外国人を獲得し、選手層も厚くなった。昨シーズンはチームとして不調だったにも関わらず70勝を挙げている。巨人が77勝で優勝したことを考えると、広島が今年7勝を上積みするのはそう難しくないだろう。
先発は大瀬良大地、ジョンソン、ルーキーの森下暢仁もいいし、そこに野村や床田寛樹が入ってくれば駒は揃う。抑えに不安はあるが、佐々岡監督は新戦力のスコットを後ろに持ってきた。そのスコットと中崎翔太を軸に新戦力のDJ・ジョンソンや一岡竜司、フランスアあたりでつないでいけば、先発、中継ぎ、抑えの並びが確立してくる。
緒方孝市前監督は若手をあまり試さなかったが、佐々岡監督は台頭してきた若手を積極的に起用し、チームを活性化させる方針だ。身体が固いが頭は柔らかい佐々岡監督らしい判断だと言えるだろう。
ピレラが入り、鈴木誠也、松山竜平、西川龍馬、會澤が揃う打線に心配はない。佐々岡監督は小園海斗や堂林翔太も使おうとしているし、他にも野間峻祥、長野久義など駒の数を挙げればきりがない。OBである私の贔屓目もあるが、広島の2年ぶりの優勝は十分に射程圏内だと言えるだろう。
解説●川口和久
【著者プロフィール】
かわぐち・かずひさ/1980年のドラフト1位で広島に入団。95年にFAで巨人に移籍した後、98年限りでユニフォームを脱いだ。現役引退後は巨人のコーチや編成を務め、現在は解説者として活躍。
対して、阪神は藤川球児をはじめとする中継ぎ陣が抜群だ。先発でも高橋遥人が台頭し、新外国人のガンケルやスアレスにも目途が立った。とはいえ、阪神は広い甲子園が本拠地だ。打線には長距離砲が不可欠で、マルテや新戦力のボーアなどの外国人が上手く機能しないと優勝は近づいてこないだろう。
そして広島は、私も現役時代に一緒に戦ってきた佐々岡真司という男が、今シーズンから監督としてスタートする。佐々岡監督について最初に感じたのは、 “運がある男”だということだ。なにせ、菊池涼介、會澤翼、野村祐輔のFA3人組がすべて残留したのである。加えて、ピレラやDJ・ジョンソン、スコットといった外国人を獲得し、選手層も厚くなった。昨シーズンはチームとして不調だったにも関わらず70勝を挙げている。巨人が77勝で優勝したことを考えると、広島が今年7勝を上積みするのはそう難しくないだろう。
先発は大瀬良大地、ジョンソン、ルーキーの森下暢仁もいいし、そこに野村や床田寛樹が入ってくれば駒は揃う。抑えに不安はあるが、佐々岡監督は新戦力のスコットを後ろに持ってきた。そのスコットと中崎翔太を軸に新戦力のDJ・ジョンソンや一岡竜司、フランスアあたりでつないでいけば、先発、中継ぎ、抑えの並びが確立してくる。
緒方孝市前監督は若手をあまり試さなかったが、佐々岡監督は台頭してきた若手を積極的に起用し、チームを活性化させる方針だ。身体が固いが頭は柔らかい佐々岡監督らしい判断だと言えるだろう。
ピレラが入り、鈴木誠也、松山竜平、西川龍馬、會澤が揃う打線に心配はない。佐々岡監督は小園海斗や堂林翔太も使おうとしているし、他にも野間峻祥、長野久義など駒の数を挙げればきりがない。OBである私の贔屓目もあるが、広島の2年ぶりの優勝は十分に射程圏内だと言えるだろう。
解説●川口和久
【著者プロフィール】
かわぐち・かずひさ/1980年のドラフト1位で広島に入団。95年にFAで巨人に移籍した後、98年限りでユニフォームを脱いだ。現役引退後は巨人のコーチや編成を務め、現在は解説者として活躍。