専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

新型コロナウィルスで開幕延期のMLB。このままだとシーズン短縮もあり得るのか? 過去にあった例は?

宇根夏樹

2020.03.21

 3度目と4度目は、サラリーキャップ制導入を巡って対立が長期化。ストライキが年をまたぎ、94年と95年のシーズンが続けて短縮された。94年は8月11日の試合を最後に打ち切られ、112~117試合になったのに加え、ポストシーズンも開催されなかった。ちなみに、ポストシーズンがなかったのは、前年に続いて2度目のワールドシリーズが行われるはずだった1904年と、この94年だけだ。1904年はナ・リーグを制したジャイアンツのジョン・マグロー監督(とオーナーのジョン・ブラッシュ)が、ア・リーグ優勝チーム(アメリカンズ=現レッドソックス)との対戦を拒否した。

 続いて、95年は144試合制のシーズンとして4月25日に幕を開けた。その前には、オーナー側が選手会に属していないマイナーリーガーらの“代替選手”で開幕する案を検討。オリオールズのカル・リプケンは、ルー・ゲーリッグの2130試合連続出場まで121試合に迫っており、ボルティモア市議会はそれを途切れさせないよう、代替選手による試合をオリオールズの本拠地で行った場合、メジャーリーグ機構に罰金を科す“リプケン法案”を成立させた。
 
 このストライキによって、MLBの人気は急落。その人気を取り戻す一因となったのが野茂英雄(当時ドジャース)だ。一風変わったトルネード投法を武器に、並みいるメジャーリーガーを三振に切って取るこの日本人投手にファンは熱狂。オールスターにも選出され、日本人史上初の先発投手も務めた。続く98年のマーク・マグワイア(当時カーディナルス)とサミー・ソーサ(当時カブス)によるホームラン対決の熱狂が起こるまで、野茂はMLB人気を支えた一人だった。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

【PHOTO】世界のスポーツシーンを彩る「美女トップアスリート」たちを厳選!
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号