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MLB

強打の一塁手として期待されていた元プロスペクトが26歳の若さで現役生活に別れ

宇根夏樹

2020.04.04

 リードの引退を報じるどのニュースも、その理由については書いていない。もし、新型コロナウイルスで開幕が延期されたことに嫌気がさしたのであれば、事態が収束した際には引退を撤回する可能性も考えられる。

 リードより1歳若いダニエル・ボーゲルバック(マリナーズ)も、一昨年までの通算成績は打率.197、出塁率.301、4本塁打と振るわなかったが、昨シーズンは30本塁打を放つなど開花した。もっとも、リードの場合、ボーゲルバックと違ってマイナーでの成績もダウンしており、このことも引退の決断を後押ししたのかもしれない。
 
 開花することなく若くして球界を去った元アストロズのトップ・プロスペクトといえば、マーク・アッペルが思い浮かぶ。アッペルの場合、ドラフト全体1指名(13年)という肩書があっただけに、18年に26歳で実質引退となったのは余計に驚きだった。

 華やかなメジャーリーグの世界だが、そこで成功を収められるのはほんの一握り。リードやアッペルを見ていると、改めてそのことを痛感させられる。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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