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MLB

【2010年代30球団通信簿:ア・リーグ東地区】貧乏でも育成と工夫を駆使したレイズが最高評価、10年間の勝率が30球団1位のヤンキースは意外にも……?

2020.04.14

レイズはオープナー導入などの創意工夫を駆使して、00年代は1度だけだったポストシーズンに10年代は4度進出。20年からは筒香嘉智も加わる。(C)Getty Images

レイズはオープナー導入などの創意工夫を駆使して、00年代は1度だけだったポストシーズンに10年代は4度進出。20年からは筒香嘉智も加わる。(C)Getty Images

▼ニューヨーク・ヤンキース
【評価】がんばりましょう(D)

 10年間すべて勝ち越し、ディケイド通算勝率.569は30球団1位。しかし、7回出場したプレーオフではワールドシリーズ進出すらかなわなかった。ディケイド間でリーグ優勝がなかったのは1920年代以降では初。他の球団では合格点でも、ヤンキースの基準では「失われた10年」という評価にならざるを得ない。

 ホーヘイ・ポサーダ(11年)を皮切りにマリアーノ・リベラ(13年)、デレク・ジーター(14年)、アレックス・ロドリゲス(16年)と一時代を築いた選手が続々と引退。これを受けて球団は世代交代に踏み切り、16年夏のトレード市場では売り手に回る思い切った決断を下した。すると翌年、アーロン・ジャッジ、ルイス・セベリーノらが一斉に開花。16年夏にアロルディス・チャップマンとの交換で獲得したグレイバー・トーレスもスターに成長し、20年代こそ帝国復権が実現しそうだ。
 
▼タンパベイ・レイズ
【評価】よくできました(A)

 この10年間の総年俸6.7億ドルは30球団最低。それでいて、レギュラーシーズンの勝利数は3倍近い年俸規模を誇るレッドソックスと互角の数字を残した。2014~17年は4年連続で負け越し、14年を最後にジョー・マッドン監督&アンドリュー・フリードマンGMが他球団に引き抜かれるなど苦しい時期もあったが、球界随一の投手育成能力と先進的なアプローチはディケイドを通じて健在。18年は新機軸オープナーを導入して話題を呼ぶと、昨年は96勝を挙げて6年ぶりのプレーオフ進出を果たした。

 しかし、プレーオフでは4回連続して地区シリーズで敗退。00年代から取りざたされていた新球場建設問題はディケイドの終わりになっても解決が見えていない。20年代こそ"スモールマーケット球団の雄"という位置付けから脱却できるか。
 

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