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MLB

【2010年代30球団通信簿:ア・リーグ中地区】唯一勝ち越したインディアンスは納得の最高評価。だが、同じ評価を得たのは現在低迷中の…

2020.04.14

今は見る影もないが、10年代前半はリーグ屈指の強豪球団だったタイガース。12年にはカブレラ(写真)が三冠王にもなった。(C)Getty Images

今は見る影もないが、10年代前半はリーグ屈指の強豪球団だったタイガース。12年にはカブレラ(写真)が三冠王にもなった。(C)Getty Images

▼デトロイト・タイガース
【評価】まずまずです(B)

 2011年から4年連続地区優勝。ミゲル・カブレラやジャスティン・バーランダー、マックス・シャーザー、プリンス・フィルダーといった大物を擁して12年にはリーグ優勝も果たすなど、ディケイド前半はMLB屈指の強豪球団として君臨した。

 一連の大型補強路線は1984年以来のワールドチャンピオンを熱望するオーナーのマイク・イリッチの強い意向を反映したものだったが、その代償としてマイナーが弱体化。イリッチが望みをかなえられないまま17年2月に87歳で世を去ると、同年8月にバーランダーをトレードで放出して本格的な再建路線へ舵を切った。何とも皮肉なことに、バーランダーやシャーザー、リック・ポーセロ、デビット・プライス、アニバル・サンチェスらは、移籍後にタイガースで実現できなかった世界一を経験している。デトロイトのファンには気の毒としか言いようがない。
 
▼カンザスシティ・ロイヤルズ
【評価】よくできました(A)

 10年間で勝ち越しはわずかに3回、逆に90敗以上のシーズンが5回。にもかかわらず「よくできました」とした理由は、言うまでもなく15年のワールドチャンピオン戴冠。同じスモールマーケット球団のレイズもアスレティックスも成し得なかった偉業を達成したこの一点だけでも十分、評価に値する。守備と機動力を重視する1980年代的なスタイルも新鮮だった。

 エリック・ホズマー、マイク・ムスタカスら生え抜きを中心に若手選手を育て上げたのに加え、15年7月にベン・ゾブリストやジョニー・クエイトを獲得するなど、積極的な途中補強に動いた点も世界一奪取への強い意志の反映だった。これらの補強は長期的には代償も大きく、ディケイド最後の2年は100敗以上と低迷したが、カンザスシティのファンも納得しているのではないだろうか。
 

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