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MLB

ジャッキー・ロビンソンはなぜ偉大なのか。日本のパイオニアともつながる共通点とは?

2020.04.16

②日本人選手との共通点
 ロビンソンのデビューから約50年後、一人の日本人選手が同じくドジャースと契約した。野茂英雄である。1964~65年の村上雅則以来、日本人選手は久しくメジャーリーグの舞台から遠ざかっていた。そのため、当時は日本人がメジャーで活躍することを夢物語のように考える人も少なくなかった。

 しかし野茂は1年目から独特のトルネード投法とフォークボールでメジャーの強打者たちをきりきり舞いさせ、オールスター・ゲームの先発にも抜擢された。日本はもちろん、地元LAでも“ノモ・マニア”と呼ばれる一大センセーションを巻き起こし、その年、見事に新人王を獲得。その後、今に至るまで毎年のように日本人選手がメジャーリーグでプレーすべく海を渡るようになった。人種差別と戦ったロビンソンと同列に扱うわけにはいかないが、野茂もまた道なき道を切り拓いた“パイオニア”であった。

 メジャーリーグで最も活躍した日本人選手であるイチローもまた、ロビンソンとの共通点を持つ。ともにメジャー球団と契約を結んだ年齢は27歳の時。1年目に盗塁王と新人王に輝いた点も同じである。イチローは1年目でMVPも獲得しており、同一年に首位打者&盗塁王&MVP獲得は49年のロビンソン以来の快挙だった。しかも、その後も2人に続く選手は出ていない。
 
 イチローはプライベートでクーパーズタウンの野球殿堂を何度も訪れるなど、メジャーリーグの歴史に並々ならぬ敬意と興味を持つことで知られる。2006年にニグロリーグで選手、監督、スポークスマンとして活躍したバック・オニールが亡くなった際には、オニールと面識がなかったにもかかわらず、ニグロリーグ博物館に大量の花束を届けたこともあった。また、同博物館に多額の寄付をしていることでも知られる。

 ロビンソンの勇気と挑戦はアメリカの黒人たちだけに恩恵をもたらしたわけではない。アジア系やヒスパニック系も含むすべてのマイノリティに機会が与えられるきっかけとなった。その意味では野茂もイチローも、そして大谷翔平もロビンソンが切り拓いた道に続いていると言ってもいい。

 だからこそ「ジャッキー・ロビンソン・デー」は、我々日本人にとっても重要な一日なのである。

構成●SLUGGER編集部

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