2001年4月11日、日本人メジャーリーガー史上、いやMLB史上でも最高クラスのプレーが誕生した。“ザ・スロー”--イチローが披露した伝説の“レーザービーム”である。
この年、メジャーデビューを果たしたイチローは、日本で7年連続首位打者を獲得した天才的打撃技術を開幕から発揮し、徐々にその地位を確立させつつあった。11日の敵地オークランド・アスレティックス戦、初めて先発を外れたイチローだったが、8回表に代打で登場してヒットを放つと、0対0の均衡を破る先制のホームイン。その裏、定位置のライトの守備についた。
先頭打者のテレンス・ロングがヒットで出塁し、1死後、ラモン・ヘルナンデスがライト前ヒットを放つ。一塁走者のロングは二塁を回り、三塁を狙った刹那、ライトからの強烈な送球がロングを抜き去り、三塁手のデビッド・ベルのグラブに収まった。
イチローが見せたあまりに完璧なスローイングは、その時のアナウンサーが叫んだフレーズから「レーザービーム」と呼ばれ、彼の代名詞となった。同時に、外野手のダイレクト補殺時に使われるフレーズとして定着した。 昨年、MLB.comが行った「史上最高の外野送球」部門では、見事ファン投票1位に選ばれている。
イチロー本人が「あれをもう一度やれと言われても、もう見せられない」と振り返るほどの会心のプレー。“犠牲者”となったロングも「あの打球でアウトにするには、完璧な送球が必要だったはずだ。実際、完璧だったよ」と脱帽している。
“レーザービーム”をきっかけに、イチローの強肩好守はアメリカでも広く知られることとなった。この年から10年連続ゴールドグラブを獲得。ルーキーイヤーから10年続けての受賞は歴代最長である。
相手走者は次第に先の塁に進むことをためらうようになった。後にイチローとチームメイトになるデレク・ジーターも、「イチローのところに打球が飛んだら、よほどのことがない限り三塁まで行かなくていいと言われた」と語っていたほどである。
圧倒的な武器はその威力だけでなく、存在そのものが抑止力になる。イチローの“レーザービーム”は文字通り、相手への脅威であり続けたのだ。
【PHOTO】日米で数々の金字塔を打ち立てたイチローの偉業を振り返る厳選ギャラリー‼
構成●SLUGGER編集部
この年、メジャーデビューを果たしたイチローは、日本で7年連続首位打者を獲得した天才的打撃技術を開幕から発揮し、徐々にその地位を確立させつつあった。11日の敵地オークランド・アスレティックス戦、初めて先発を外れたイチローだったが、8回表に代打で登場してヒットを放つと、0対0の均衡を破る先制のホームイン。その裏、定位置のライトの守備についた。
先頭打者のテレンス・ロングがヒットで出塁し、1死後、ラモン・ヘルナンデスがライト前ヒットを放つ。一塁走者のロングは二塁を回り、三塁を狙った刹那、ライトからの強烈な送球がロングを抜き去り、三塁手のデビッド・ベルのグラブに収まった。
イチローが見せたあまりに完璧なスローイングは、その時のアナウンサーが叫んだフレーズから「レーザービーム」と呼ばれ、彼の代名詞となった。同時に、外野手のダイレクト補殺時に使われるフレーズとして定着した。 昨年、MLB.comが行った「史上最高の外野送球」部門では、見事ファン投票1位に選ばれている。
イチロー本人が「あれをもう一度やれと言われても、もう見せられない」と振り返るほどの会心のプレー。“犠牲者”となったロングも「あの打球でアウトにするには、完璧な送球が必要だったはずだ。実際、完璧だったよ」と脱帽している。
“レーザービーム”をきっかけに、イチローの強肩好守はアメリカでも広く知られることとなった。この年から10年連続ゴールドグラブを獲得。ルーキーイヤーから10年続けての受賞は歴代最長である。
相手走者は次第に先の塁に進むことをためらうようになった。後にイチローとチームメイトになるデレク・ジーターも、「イチローのところに打球が飛んだら、よほどのことがない限り三塁まで行かなくていいと言われた」と語っていたほどである。
圧倒的な武器はその威力だけでなく、存在そのものが抑止力になる。イチローの“レーザービーム”は文字通り、相手への脅威であり続けたのだ。
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構成●SLUGGER編集部