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大学野球

首都大学リーグの“ドラフト候補生“!東海大を牽引するWエースを紹介

大友良行

2020.04.21

●小郷賢人(東海大/投手)
180㎝・80㎏、右投右打、岡山県出身、関西高
 セットアップで入り、上からMAX155㎞の快速球を投げ込む。縦スラ、フォーク、カーブなど緩急をつけた変化球もあり、キレのあるボールを低目に集め、詰まらせて打ちとるピッチングをする。「即戦力のリリーフ投手」とプロのスカウトたちが評価する逸材だ。

 父親が小学生野球の監督で、2歳年上の兄・小郷裕哉外野手(楽天)の影響もあり、小学入学の時から野球を始めた。当時は内野手だったが、中学からは投手兼外野手に。高校3年夏には県大会準々決勝で強敵・倉敷商に5対1で敗れてベスト8止まりだったが、その時150㎞を投げ、注目された。

 大学に進学すると、2年春に8試合に登板。2年生ながら抑えに回り、11回2/3を投げ奪三振22、自責点、防御率ともにゼロでリーグ優勝に貢献した。2018年の大学選手権では、九州産業大に決勝点を奪われ「自分の力を出しきれなかった」と今でも悔やんでいるが、続いて同年夏に行われたアメリカでの「第42回日米野球」と「第29回ハーレムベースボールウイーク(オランダ)」でも日本代表のメンバー入り、計4試合投げた。そこで同学年の伊藤大海投手(苫小牧駒大)と出会い「真っ直ぐ1本で押していくというピッチングの取り組み方に刺激を受けました。自分はどうしても変化球を混ぜてしまうので」としっかり土産を持ち帰ってきた。

 しかし、その後2、3年秋は肘を痛めて登板なし。3年の6月に日本代表の声がかかったが、右ヒジ痛で辞退するなど、リーグ通算試合数も16、3勝0敗と実力を買われている割には、寂しい気がする。
 
 それだけに今冬は、ケガ対策を念頭にトレーニングに励んだ。体の柔軟性と使い方を学び、プロテインなどを摂取しながら食トレにも励んだ。今や体重は90㎏。ケガに強い体を作りあげた。

 安藤監督は、どう見ているのだろうか。

「どんな場面でも動じない。困ったときに、投入することに決めています。期待に応えてくれるので信頼しています。ヒジの具合を見ながらやっていますが、ブルペンで調子も上がってきています。ボールそのものに力があります。速い低めのスライダーがいい。あとは、実戦の中で、プロがどう評価してくれるかですね。中継ぎ、抑えで行って、いい時はストッパーでも使えますよ」

 今は実家に簡単なブルペンと鳥カゴがあるので、そこでトレーニングを積んでいる。目標は「ケガをしない選手と大学日本一。森唯斗投手(ソフトバンク)に憧れています」。

文●大友良行

【著者プロフィール】
おおとも・よしゆき/元大手新聞社の報道写真記者。事件事故取材の傍らメジャーリーグやサッカーW杯などの欧州サッカーを取材。現在は、全国の大学野球、春夏の甲子園をはじめとする高校野球、都市対抗を中心に社会人野球などを深く取材している。著書に「野球監督の仕事(共著・成美堂出版)」、「CMタイムの逆襲(東急エージェンシー)」などがある。

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