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歴代最強の「お間抜け故障者」は?悪夢でうなされ傷だらけ、ゲームのやりすぎで炎症……メジャーリーガーの恥ずかしい怪我の数々

2020.04.21

史上最も“劇的”と言われる故障は、サヨナラ満塁弾後に涙したモラレスで間違いない。(C)Getty Images

史上最も“劇的”と言われる故障は、サヨナラ満塁弾後に涙したモラレスで間違いない。(C)Getty Images

④ ケンドリス・モラレス(ロサンゼルス・エンジェルス)2010年/左ヒザ骨折

 シチュエーションを加味したら、モラレスの怪我ほど“劇的”なものはないだろう。前年の09年に34本塁打&OPS.924を記録してMVP投票5位に入ったキューバ出身のスラッガーはこの年も好調。しかし、悲劇は突然、“舞い降りた”。

 5月29日のシアトル・マリナーズ戦、延長10回に1死満塁で打席に入ったモラレスは、センター後方に完璧なサヨナラ満塁本塁打を叩き込んだ。大喜びでチームメイトが待つ本塁へスキップしながらジャンプイン……したモラレスはそのまま起き上がってこない。サヨナラ勝ちの歓喜から一転、場内はただごとならぬ雰囲気が漂った。モラレスはこの時の怪我でヒザを骨折。復帰までに約2年もの歳月を費やした。
 
⑤ジョエル・ズマヤ(デトロイト・タイガース)2006年/右腕違和感

 最速103マイル(約165キロ)の剛球と闘志みなぎる投球スタイルで人気を博したズマヤ。1年目の2006年からセットアップとして活躍していたが、なぜか同年のリーグ優勝決定シリーズ途中から登板せずにいた。その理由はしばらく語られることはなかったのだが、GMがオフになって真相を明かした。

 何と、ズマヤは大好きなテレビゲーム『ギターヒーロー』のやりすぎで右腕を痛めてしまったのだという。ドクターが投球による炎症よりも、ギターを演奏した時に発生する炎症に近いことを見つけて発覚したという。もちろん、ズマヤには球団からゲーム禁止のお達しが出た。

 ここで紹介した以外でも、2016年にはトレバー・バウアー(当時クリーブランド・インディアンス)がポストシーズンの登板直前にドローンをいじって指を負傷し、試合中に流血騒ぎになったこともあった。また、昨年にはヨエニス・セスペデス(ニューヨーク・メッツ)が所有する牧場でイノシシに襲われてシーズンを全休した。

 いずれにしても、日本では「プロ意識の欠如」とバッシングされそうな(事実そういう故障も多い)間抜けな怪我でも、ユーモアあふれるエピソードとして取り上げられるところが、メジャーリーグの懐の深さと言えるかもしれない。

構成●SLUGGER編集部

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