こうした挑戦的なポジショニングは他にもある。15年のCSセカンドステージ第1戦の4回、0対0で一死二、三塁のピンチを招いた時に敷いたシフトだ。セオリーではこういう場合に前進守備を敷くケースがほとんどだが、三木はあえて遊撃手の大引啓次を定位置まで下げた。これは「1点は仕方ないが、2点目は確実に阻止する」という意図があってのことだった。
「ランナー、二、三塁での前進守備は現役時代から疑問に思っていました。なぜなら、二塁走者がノーマークになるからです。リードが大きく取れて走塁がしやすいんですよね。日本ハムのファームコーチ時代に、そのことに気づいていろいろ試してみたんですよ」
このシフトが功を奏したのか、ヤクルトはこの回を無失点で切り抜けた。三木のもくろみは見事に当たったのだ。
「野球には長い歴史があって、こういう風にした方がいいというセオリーが多くありますけど、セオリーありきになることで逆に自分が苦しむこともあると思ったんです。なので、常識を度外視したシフト、ポジショニングや作戦を考えるようになりました」
海の向こうのメジャーリーグでは、実際に打者の打撃傾向に合わせて細かく守備シフトを動かすことがトレンドになっており、間接的に三木の考え方の正しさが証明されているとも言える。伝統にとらわれない自由な発想で、三木監督率いる楽天がパ・リーグに旋風を巻き起こすかもしれない。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
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「ランナー、二、三塁での前進守備は現役時代から疑問に思っていました。なぜなら、二塁走者がノーマークになるからです。リードが大きく取れて走塁がしやすいんですよね。日本ハムのファームコーチ時代に、そのことに気づいていろいろ試してみたんですよ」
このシフトが功を奏したのか、ヤクルトはこの回を無失点で切り抜けた。三木のもくろみは見事に当たったのだ。
「野球には長い歴史があって、こういう風にした方がいいというセオリーが多くありますけど、セオリーありきになることで逆に自分が苦しむこともあると思ったんです。なので、常識を度外視したシフト、ポジショニングや作戦を考えるようになりました」
海の向こうのメジャーリーグでは、実際に打者の打撃傾向に合わせて細かく守備シフトを動かすことがトレンドになっており、間接的に三木の考え方の正しさが証明されているとも言える。伝統にとらわれない自由な発想で、三木監督率いる楽天がパ・リーグに旋風を巻き起こすかもしれない。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
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