もう一つ忘れてはならないのは、過去の経緯を振り返った時に透けて見えるオーナー側の"不誠実"な姿勢だ。MLBは17年連続で過去最大収益を更新し続けているが、好景気に沸いている時には、オーナーたちに成功の果実を選手とシェアするという発想はおよそなかった。逆に、過去2年はFA市場の冷え込みもあって選手平均年俸はむしろ下がっている。球界最強の代理人スコット・ボラスが言うように、「利益は私物化して、損失だけを共有するのはおかしい」のだ。
『CBS Sports』のマット・スナイダーは次のように書いている。「いつだって損をするのは選手たちで、オーナーではない。オーナーたちは長年にわたって記録的な収益を得てきたのに、ほんの数百万ドルを犠牲にしなければならなくなった時は選手を巻き込んで公然と非難する」
もちろん、選手会も強硬姿勢ばかり貫いていては世論の支持は得られない。どこかで歩み寄るべき時は来るだろう。そうだとしても、「選手会=強欲」という単純な図式で今回の件を捉えてしまうと、本質を見誤ることになってしまう。
文●久保田市郎(スラッガー編集長)
【PHOTO】“20年サイ・ヤング賞候補”ダルビッシュ有。投球からイケメンぶり、マエケンらとの絡みも!
『CBS Sports』のマット・スナイダーは次のように書いている。「いつだって損をするのは選手たちで、オーナーではない。オーナーたちは長年にわたって記録的な収益を得てきたのに、ほんの数百万ドルを犠牲にしなければならなくなった時は選手を巻き込んで公然と非難する」
もちろん、選手会も強硬姿勢ばかり貫いていては世論の支持は得られない。どこかで歩み寄るべき時は来るだろう。そうだとしても、「選手会=強欲」という単純な図式で今回の件を捉えてしまうと、本質を見誤ることになってしまう。
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