セ・リーグの場合はちょっとしたきっかけで、どこが上に来るかというのは本当に読めませんが、パ・リーグはソフトバンクと楽天、西武が抜けていると思います。

　オリックスはジョーンズが機能したら攻撃力は上がると思います。ピッチャー陣も若い人が育ちつつある。ただ、キャッチャー陣はまだ安定感がないんですよね。そこがもうちょっと上がってくれば、Ａクラス入る力はあると思うんだけどね。一人ひとりの選手を見るといいのがいるんですよ。それが一つになった時は強いチームになると思います。

　日本ハムは何だかんだでしぶとい選手が多いですよね。野手も投手も。清宮幸太郎がどこまで成長するかもカギになる。彼が３割30発打ったとしたら、上位に来る可能性もあるでしょうし。怪我がちょこちょこあるので物足りないですよね。１年間出続けて、どれぐらいの数字が出るかっていう。まずはそこをやってもらいたいです。
  　ロッテは、不気味な存在であることは確かなんですよ。順位をつけないといけないので６位にしましたけど、不気味な存在ですよ。ただ、福田秀平と美馬学を補強しましたけど、ここはちょっと微妙なんですよ。福田は１年間出たことがない選手だから。美馬も、絶対的なエースかと言われたら、そうじゃない。それが開幕投手というところに層の薄さを感じます。

　今年は歴史上初めてシーズンになるので、本当に予想もできないし、プロ野球ＯＢに聞いても絶対に分かるわけがない。誰も経験していないことが起きているわけですから。開幕が６月19日に決まったのが１ヵ月前を切っている段階で、そこからピークには持っていけない。80～90％でスタートして、一回りするところで100％にするようなイメージですかね。選手たちもスタッフも大変だと思いますけれど、何とか頑張ってもらいたいです。

解説●谷繁元信

【プロフィール】
たにしげ・もとのぶ／1970年生まれ。江の川高では強打の捕手として活躍し、88年ドラフト１位で横浜大洋に入団。98年にチーム38年ぶりの日本一に貢献し、2002年に中日へＦＡ移籍。常勝球団の屋台骨としてチームを支えた。通算3021試合出場のプロ野球記録を保持。14年～16年途中までは中日の監督を務めた（14～15年は選手兼任）。