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プロ野球

明暗分かれた若手本格派対決。狙い球を絞らせなかった広島・森下と最後まで修正できなかった中日・梅津

ロバートさん

2020.06.29

●森下暢仁 投球成績
8.2回 136球 被安打9 奪三振7 与四死球2 失点3

▼投球割合 / 平均球速
44.1% ストレート 149.7キロ
31.6% カットボール 139.0キロ
12.5% チェンジアップ 131.1キロ
11.8% カーブ 111.6キロ

 一方の森下は、前回登板と同様に最速153キロのストレートと、ストレートと同じ軌道から変化するカットボール、チェンジアップのコンビネーションを軸に中日打線を翻弄した。中日の与田剛監督は試合後「球種によってフォームが変わらない」とコメントしたが、打者にとってはストレートを狙おうにも同じ軌道から両コーナーに変化するボールが頭にあったためか、どうしても差し込まれる姿が目立った。さらに時折、落差の大きいカーブを低めギリギリに投じたこともアクセントとなり、狙い球を絞ることは非常に困難だったと思われる。
 
 梅津と森下の結果を左右したのは、この「ストレートと同じ軌道で変化するボール」と、「緩急を生み出すカーブ」の使い方であったと言えるだろう。梅津は初回、ストレートが狙われたことを察知した後にスライダーとフォークを多投したが、特にリリース直後から大きく変化し、球速も遅いスライダーは打者も見極めが難しくなく、ストレートに張っていても対応が容易だったと考えられる。

 打者に思い切り踏み込ませないためには、投球割合が限定的だったカットボールやカーブを森下のように効果的に活用すべきだ。梅津のカットボールは、6月7日の西武との練習試合では空振りを奪うボールとして十分機能していた。現時点で精度に不安があり投球割合を減らしているのなら、今後は積極的に活用できるよう修正が急務だろう。

 先発投手不足に喘ぐ中日にとって、梅津にかかる期待は大きい。今回の反省を糧に、次回登板が予想される7月5日の巨人戦ではまた目覚ましい投球が見られることを、中日ファンは心から楽しみにしている。

文●ロバートさん (@robertsan_CD)

【著者プロフィール】
1988年生まれ。Twitterにて中日ドラゴンズの戦力分析・考察を行う中日ファン。中日新聞プラスにて「データで考える中日ドラゴンズ」を連載中。

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