専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
高校野球

交流試合最終日、東海大相模と大阪桐蔭の“東西横綱”がぶつけ合った「甲子園への熱い思い」

氏原英明

2020.08.18

 一歩も引かぬ両者。好プレーも度々生まれた。

 6回表、1死から鵜沼が右中間に痛烈な打球を放つも、大阪桐蔭の右翼手・上野海斗がダイビングキャッチ。大阪桐蔭だけでなく、東海大相模の保護者からも拍手が飛んだほどの美技だった。6回裏、大阪桐蔭の先頭、西野力矢の打球は石田の足元付近を襲ったが、東海大相模の遊撃手・大塚瑠曇がファインプレーでアウトにした。

 強豪私学の長時間に及ぶ練習に対し、高校生の部活動としては行き過ぎだとの批判がよく聞かれる。その是非はともかく、野球に賭けたチーム同士がぶつかったこの試合は、確実に高校トップレベルの一戦だった。

 7回、ようやく試合が動く。

 東海大相模は先頭の佐藤響が四球で出塁すると、続く4番・西川僚祐との間でエンドランを成功させて、無死一、三塁。さらに、5番・大塚を打席に置いて一塁走者・西川が盗塁を成功。大塚は捕邪飛に倒れたものの、6番の神里陸が右翼前に落として2人が生還。2対1と逆転に成功したのだ。

 大阪桐蔭もすぐさま反撃した。その裏、1死一、二塁で1番の池田陵真が投手強襲の強い当たりを放つと、池田が利き手の左手で打球を止めて三塁へ送球するもセーフで満塁。素手、しかも利き手で打球を止めるのはタブーだが、そうしてでも止めたいという石田の姿勢は、この試合への両チームの思いを象徴していた。
 
 その後、1死満塁から2番の加藤巧也の犠牲フライで追いついた大阪桐蔭は、8回に今度は1死二、三塁から途中出場のキャプテン・薮井駿之裕が左翼線に落とす2点適時打を放ち4対2として決着を見た。

 両者の勝敗を隔てたポイントはどこにあったのか。

 まずは敗者・門馬監督の言葉を聞く。

「最後は大阪桐蔭のキャプテンの粘りですね。彼がファウルで粘ったことで、うちのバッテリーは投げるボールがなくなった。その前、同点の加藤君の犠牲フライにしてもチェンジアップに体勢を崩されながら、外野に持っていく。うちが負けたんで、どうしても相手がよく見えるんですけど、まさに大阪桐蔭の執念が上回ったと思う」

 もっとも、東海大相模の持ち味であるアグレッシブな姿勢も、最後まで衰えることはなかった。送りバントのサインを一つも出さず、積極的に攻めた門馬監督の姿勢は、勝敗を超えたこの日の対決の意義を十分に理解しての戦いぶりだったと言えよう。
 

DAZNなら「プロ野球」「Jリーグ」「CL」「F1」「WTAツアー」が見放題!充実のコンテンツを確認できる1か月無料体験はこちらから

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号