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高校野球

清原に並んだ平田良介、史上最強1番・浅村栄斗――元球児たちが甲子園で作った伝説

藤原彬

2020.08.17

大阪桐蔭時代の浅村は、ほっそりした身体から大きな当たりを放ち、守備でも好プレーを連発するなど見ていて楽しい選手だった。写真:産経新聞社

大阪桐蔭時代の浅村は、ほっそりした身体から大きな当たりを放ち、守備でも好プレーを連発するなど見ていて楽しい選手だった。写真:産経新聞社

 今年も日本列島に訪れた夏本番。連日、各地の暑さとともに、甲子園交流試合にて、球児たちの熱き戦いが伝えられている。当企画では2000年以降、夏の甲子園で輝きを放ったプロ野球選手を厳選して東西別で11人ずつを紹介。今回は西日本編だ。(※人物の所属や肩書、大会記録は当時)

■平田良介(大阪桐蔭)
 打席に入って大きく上体を反るルーティンが印象的。内、外角球とも関係なく、広い甲子園のあらゆる方向へ打球を飛ばした。04年春のセンバツにも出場しているが、圧巻は3年生だった05年夏の甲子園。準々決勝の東北高戦で、2回に先制ソロ、4回に2打席連続アーチをレフトスタンドに放り込み、7回には中堅方向へ逆転2ラン。1試合3ホーマーは清原和博以来史上2人目の快挙で、秋のドラフトで1位指名した中日の落合博満監督も、「俺を超える逸材」と惚れ込んでいた。

■中田翔(大阪桐蔭)
 投打に超高校級のスケールを見せつけた。甲子園デビューを果たした1年夏は、平田の後を打つ5番として1回戦の春日部共栄戦でいきなり勝ち越しソロ、投げては最速146kmを計測と“スーパー1年生”ぶりを見せつけた。2年夏は初戦の横浜高戦でもバックスクリーン横に推定140mの特大弾を放り込んだが、続く2回戦は斎藤佑樹(早稲田実)に3三振を喫して敗退。衝撃的な記憶とともに、高校通算歴代最多87本塁打の記録を刻んだ。

■野村祐輔(広陵)
 同期の小林誠司(現巨人)とバッテリーを組み、3年夏の初戦は前年まで3年連続決勝に進出していた駒大苫小牧を9回の逆転劇で下す。準決勝ではセンバツ王者の常葉菊川を撃破し、今も語り草となっている佐賀北との決勝戦でも、7回まで無失点、4点リードと優勝目前だった。だが、8回1死満塁で押し出し四球を与えると、直後に逆転満塁本塁打を被弾。甲子園の魔物に襲われた直後の攻撃で、最後の打者として空振り三振に倒れた。快進撃の主役から一転、悲劇のヒーローとなった。
 
■浅村栄斗(大阪桐蔭)
 08年夏の決勝では常葉菊川を17得点完封の圧勝で下したチームを攻守で牽引した。初戦の日田林工戦でいきなり5安打を記録すると、金沢高との2回戦ではは2ホーマー。準決勝と決勝ではそれぞれ3安打ずつと大会を通して打ちまくり、右へ左へ歴代2位タイの16安打(打率.552)で、「甲子園史上最強トップバッター」の声もある。また、高校生離れした遊撃守備でも再三のファインプレーでチームを盛り立てた。

■堂林翔太(中京大中京)
 09年夏の甲子園で「4番でエース」の役回りを演じて優勝。打者としては内角球をさばく技術が絶品で、厳しいコースを突かれてもフェアゾーンに打球を弾き返した。決勝で初回に右中間へ先制2ランを放つなどパンチ力も示し、大会最多タイ記録の6二塁打もマーク。マウンドでは多彩な変化球を操ったが、日本文理との決勝では大会制覇まであと1球の場面から追い上げられて降板し、優勝インタビューでは悔し涙を流した。

■藤浪晋太郎(大阪桐蔭)
 長身痩躯の全身から絞り出すように球威抜群のボールを繰り出し、12年はセンバツに続いて史上7校目の春夏連覇の立役者に。登板4試合はいずれも150キロを超える速球で完投。準決勝の明徳義塾戦では8つの三振を奪って9回2安打無失点、決勝の光星学院戦では14奪三振で同じく2安打完封勝利で、20年ぶりの2日連続完封劇を演じた。そのスケールの大きさは高校生の域にとどまらず、同年ドラフト1位で入団した阪神でもプロ1年目から2ケタ勝利を挙げた。
 

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