だが、クローザーの増田達至が２連投していたことを考慮してか、９回表は平井克典がマウンドに登ったが、代打の角中勝也に四球を与えると、代走の岡大海に二盗を決められ、荻野貴司の右翼前適時打で同点とされた。

　そして、試合は前日に引き続いて延長戦に突入し、11回裏、２死から木村文紀が左翼に大飛球を放つと、ロッテの左翼手・加藤翔平と中堅手の荻野貴司が激突して落球。ボールが点々とする間に、木村がホームを駆け抜けサヨナラ勝ちした。 　11回に殊勲打を放った木村は「（記録はエラーだったが）チームが勝つことが１番なので嬉しいですね。打った瞬間にレフトが手を横に広げていたので、ボールが見えていないのかなと思ってスピードを上げて走りました。全員で優勝を目指してやっているので、残りの試合、全部勝つつもりで戦っていきたい」と興奮気味に話した。

　パ・リーグのもう一つの試合は、オリックスが勝利。復帰２試合目の山本由伸が先発し、７回６安打１失点の好投を見せて７勝目を挙げた。４位の楽天は痛恨の３連敗。ロッテが西武を相手に星を落としていただけに痛い敗戦が続いている。

文●氏原英明（ベースボールジャーナリスト）

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき／1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』（新潮社）、『メジャーをかなえた雄星ノート』（文藝春秋社）では監修を務めた。