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プロ野球

【シーズン後半戦展望:セ・リーグ】首位独走の巨人の死角は? DeNAは故障者復帰がカギ

藤原彬

2020.09.01

 難しいのは今後の戦い方で、クライマックスシリーズも開催されない中でAクラス入りに全力を尽くするのか、それとも根尾昂や石川昂弥、石垣雅海といった期待の若手に出場機会を与えて来期以降に布石を打つのか。球団の判断に注目が集まる。

■広島
24勝30敗6分/勝率.444(5位)/得失点差-14(4位)

 鈴木誠也は今季もMVP級の充実ぶりで、堂林翔太の才能がついに開花。森下暢仁は前評判どおり新人王候補に挙がる活躍を見せ、有望株捕手の坂倉将吾も台頭している。ポジティブな要素をこれだけ揃えながら、開幕前から不安視されていたブルペンが崩壊し、1点差試合は3勝10敗と大きく負け越し。元沢村賞投手のK・ジョンソンは0勝6敗と大不振に陥った。無観客~5000人限定という状況で例年の熱い声援を受けられないせいか、ホームのマツダスタジアムで7勝14敗と大きく負け越しているのも大きな誤算。
 
 ただ、得失点差は-14にとどめており、上位陣との地力の差は勝率ほどにないことがうかがえる。遠藤淳志、島内颯太郎ら頼もしい若手の成長もあり、決して悲観するような状況ではない。

■ヤクルト
24勝31敗5分/勝率.436(6位)/得失点差-57(6位)

 一時は単独首位に立ち、8月7日時点で貯金2と下馬評を覆す健闘を見せたが、その後5勝14敗と一気に崩れて最下位へ転落。小川泰弘が8月15日のDeNA戦で達成したノーヒットノーランも追い風にはならなかった。チーム再建のメインテーマである投手陣は防御率リーグワースト、QS率がわずか35.6%と先発がゲームを作れていない。

 一方で打線はチームの顔である山田哲人が不振に陥りながら、進化を続ける村上宗隆とベテランの青木宣親を中心に、他チームに引けをとらない得点力を維持している。もともと今季は将来へ向けての土台固めのシーズンという位置付けだったはず。投手陣では吉田大喜、野手陣では濱田太貴ら期待の若手にチャンスを与えながら力を蓄えていきたい。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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