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プロ野球

【シーズン後半戦展望:パ・リーグ】ソフトバンクの対抗馬一番手はロッテではなく楽天?

藤原彬

2020.09.01

■日本ハム
29勝30敗3分/勝率.492(4位)/得失点差-10(3位)

 チーム勝率が示すように、これまでの戦いは可もなく不可もなくといったところ。打線は中田翔が本塁打、近藤健介が出塁率でリーグトップに立ち、西川遥輝も盗塁王を狙える位置にあるが、個の力を全体で生かせていない。守ってはリーグ最多の40失策を喫し、投手陣の足を引っ張った。育成上手で知られながら、近年は一軍へ有力な野手を送り出せていない影響が表面化している。

 クライマックスシリーズ進出のためには、いずれも負け越している上位3チームを直接対決で叩く必要がある。得失点差-10はわずかではあるが2位のロッテよりもいい数字。8月に入って打線に勢いが出てきただけに、楽天と6試合、ロッテと8試合戦う9月は重要な月になるはずだ。

■西武
26勝32敗2分/勝率.448(5位)/得失点差-16(5位)

 リーグ3連覇を狙ったが、8月頭に勝率5割を切るとその後も7連敗、5連敗を喫して一気に借金が膨らんだ。飛躍が期待された高橋光成や今井達也が精彩を欠き、先発防御率5.05とQS率33.3%はともにリーグワースト。奮闘しているリリーフ陣の蓄積疲労も懸念される。
 
 自慢の打線も、秋山翔吾の退団でリードオフの出塁率が下がっただけでなく、破壊力も著しく低下。劣勢を跳ね返すほどの迫力がない。その結果、先発投手に自責点3以上がついた試合は10勝23敗1分と惨憺たる成績。現状を大きく改善させられそうな要素は見当たらず、森友哉や中村剛也、源田壮亮はもちろんのこと、投手陣で誰か救世主的な存在が出てこない限り、3連覇は難しい。

■オリックス
20勝38敗4分/勝率.345(6位)/得失点差-61(6位)

 超大物助っ人ジョーンズが加わったこともあり期待は高かったが、開幕直後に同一カード6連戦6連敗を喫するなど出足から大きくつまずいた。7月は13勝11敗と勝ち越したものの、8月に入って再び負けが込み、20日に西村徳文監督が辞任を表明。投手陣は、開幕投手を務めた山岡泰輔が2試合目で戦列を離れたことを思えば及第点だが、打線はジョーンズが機能せず、1試合平均得点がリーグ唯一の3点台(3.47)と相変わらず点が取れない。

 ソフトバンクに2勝13敗、ロッテに2勝12敗と大きく負け越しているが、裏を返せばその他の3球団には互角以上の戦いができている。中島聡監督代行はつい最近まで二軍で指揮を執っており、後半戦は若手選手のさらなる積極起用が予想されるが、何とか意地を見せて球団ワースト勝率記録(2003年の.353)更新は避けたい。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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