それでも、ファームには依然として好素材の選手を多数抱えている。投手ではボールの力強さが増した吉田輝が、イースタン・リーグで奪三振ランキングの上位につけている。北浦やルーキーの立野も二軍では結果を出している。近年は石川直や堀のように、球威のある投手を片端からブルペン回してしまう傾向があったが、吉田輝らに関してはドラフト1位の河野ともども先発として育てていこうという姿勢が見てとれる。
野手では故障で開幕早々に離脱してしまったものの、野村が長距離砲として覚醒しかけていた。彼と同期の万波、そして清宮が揃って中軸を担う存在になれば、相当スケールに富んだ打線が組めそうだ。また、すでに26歳となっているが、ファームで大爆発している樋口龍之介も楽しみな存在だ。
良くも悪くもポテンシャルを重視する編成方針なので、ハマればすごいチームができそうな期待感は大きい。だが、そのためには現在の清宮がまさにそうであるように、勝敗を度外視してでも一軍で場数を踏ませる必要もあって、その辺のバランスを取るのがなかなか難しい。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
野手では故障で開幕早々に離脱してしまったものの、野村が長距離砲として覚醒しかけていた。彼と同期の万波、そして清宮が揃って中軸を担う存在になれば、相当スケールに富んだ打線が組めそうだ。また、すでに26歳となっているが、ファームで大爆発している樋口龍之介も楽しみな存在だ。
良くも悪くもポテンシャルを重視する編成方針なので、ハマればすごいチームができそうな期待感は大きい。だが、そのためには現在の清宮がまさにそうであるように、勝敗を度外視してでも一軍で場数を踏ませる必要もあって、その辺のバランスを取るのがなかなか難しい。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。