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MLB

サイ・ヤング賞はダルビッシュ? バウアー? デグロム? 有力候補3人をデータで徹底比較すると本命は…

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2020.09.27

仮にダルビッシュは受賞できなかったとしても、今シーズンの素晴らしい成績が色あせることはない。写真:田口有史

仮にダルビッシュは受賞できなかったとしても、今シーズンの素晴らしい成績が色あせることはない。写真:田口有史

 確かにバウアーの二冠は“見栄え”はいい。さらに成績を向上させるために、シーズン最終戦に登板するようであれば、彼が抜け出していた可能性は高いが、レッズがポストシーズン進出を決めたため、おそらく登板することはないだろう。すると、ダルビッシュとバウアーの成績はここから変更がないことになるが、アウォード投票で重視される勝利貢献度WARでダルビッシュは『FanGraphs』版で1位、『Baseball-Reference』でもほぼ互角の数字であり、「バウアーが大本命」と推すにはやや説得力に欠ける。

 むしろ、あと1登板を残すデグロムが最終登板で素晴らしいピッチングをした時は、バウアーも奪三振のタイトルを失ってそれぞれが一冠ずつを分け合うことになり、内容面を考えるなら、デグロムがやや優勢と見られる可能性もあるだろう。

 つまり、現時点でもバウアーが抜きん出ているというのは、旧スタッツに引っ張られた評価であって、数字を見ていくと、日本人云々を抜きにしてもダルビッシュがサイ・ヤング賞を獲得してもまったく不思議はないのである。

「バウアーの最後のインパクトが強い!」というのであれば、それは「内容も伴った上での7戦7勝を挙げたダルビッシュ」も、相当にインパクトはある。地区優勝をほぼ確実にしたチームのエースとして、“勝たせてもらった白星”ではなく自らのピッチングで勝利をもぎ取ってきたのは、その数字を見ても明らかだ。デグロムという特異点は別として、得てして偉大な投手は“勝てる”ものでもある。
 
 もしダルビッシュが最多勝、バウアーが最優秀防御率、デグロムが奪三振王を分け合うようになれば、相当に投票者を悩まされることになる。その時は各人が「何を重視」し、「どういうプロセス」で順位をつけたのかを明確に説明しないと、ファンが納得するのは難しいだろう。2016年、ジャスティン・バーランダーとリック・ポーセロをめぐるサイ・ヤング賞投票で記者が炎上したのは記憶に新しい。

 では、みなさんは誰が賞にふさわしいと考えるだろうか。そこに真の説得力を持って選出するような思考を巡らせることこそが、賞レースの議論を発展させていく上で大事な要素であるし、こうした土壌が生まれることが賞の価値を高めていくはずである。

 そして結果はどうあれ、投手最高の栄誉であるサイ・ヤング賞のファイナリストとしてダルビッシュの名前が挙がっていること自体が、今シーズンの投球の素晴らしさを証明していることに他ならない。日本人投手でサイ・ヤング賞投票3位以内に入ったのは2013年のダルビッシュ(2位)と岩隈久志(3位)の2人だけ、あの野茂英雄も4位の2回が最高だった。

 もしダルビッシュが受賞できなかったとしても、その投球に拍手を改めて送りたいものである。

構成●新井裕貴(THE DIGEST編集部)

【PHOTO】“20年サイ・ヤング賞候補”ダルビッシュ有。投球からイケメンぶり、マエケンらとの絡みも!
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【表】ダルビッシュ、バウアー、デグロムの詳細スタッツ比較

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