社会人の長距離砲では今川優馬（JFE東日本）の名前が挙がる。高校時代は故障もあって控え選手で、大学でもレギュラーに定着したのは3年秋からという遅咲きの選手だが、最終学年の２シーズンで９本塁打を量産。昨年の都市対抗でも宮川哲（当時東芝／現西武）からライトに一発を放って見せた。

　少し癖のあるスウィングには賛否両論あるが、ボールを遠くへ飛ばすという点にかけてはアマチュア球界でも間違いなく屈指の存在だ。今年はセンターも任されているように外野の守備も安定感がある。強打者タイプの外野手が不足している球団にとってはピッタリ当てはまる選手と言えるだろう。
  【2020年ドラフト：主な「長距離砲」たち】
佐藤輝明（近畿大）
今川優馬（JFE東日本）
小深田大地（履正社高）
井上朋也（花咲徳栄高）
元謙太（中京高）
入江大樹（仙台育英高）
秋広優人（二松学舎大付高）
西野力矢（大阪桐蔭高）
西川僚祐（東海大相模高）

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「プロアマ野球研究所（PABBlab）」を2019年８月にリリースして多くの選手やデータを発信している。