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プロ野球

北海道移転後、最長の在籍年数を誇った日本ハム・田中賢介が現役引退、その功績を数字で振り返る

藤原彬

2019.09.27

 【二塁打】
1.稲葉篤紀  249
2.中田翔   224
3.田中賢介  196
4.小谷野栄一 190
5.西川遥輝  156

【三塁打】
1.西川遥輝 46
2.田中賢介 42
3.稲葉篤紀 25
4.陽岱鋼  21
5.森本稀哲 20

 広角に打ち分ける技術と快足を生かし、広い札幌ドームの外野のギャップを抜ける二塁打や三塁打を積み重ねた。3番での出場が最も多かった08年には、自己最多の11本塁打を含むチーム最多の52長打を記録している。このように、求められた役割に応じた適応が反映されているのが田中の打撃成績の特徴だ。

【打点】
1.中田翔   829
2.稲葉篤紀  613
3.小谷野栄一 467
4.田中賢介  450
5.陽岱鋼   385

 10年にはリーグトップの得点圏打率.419を記録したが、自己最多は15年に記録した66打点。打点を稼ぐよりもチャンスメークが必要とされることが多かった。小笠原道大(06年/100打点)や小谷野栄一(10年/109打点)、中田翔(16年/110打点)と後ろを打つバッターのタイトル獲得をアシストした価値は大きい。
 【四球】
1.田中賢介 537
2.西川遥輝 497 
3.中田翔  470
4.近藤健介 366 
5.稲葉篤紀 337 

【出塁率】※2000打席以上
1.近藤健介 .403
2.糸井嘉男 .390
3.西川遥輝 .376
4.田中賢介 .360
5.稲葉篤紀 .349

 09年にはリーグ最多の79四球を選び、10年と16年は三振よりも多くの四球を獲得するなど選球眼の良さも持ち味。日本球界復帰後の5年間は193四球に対して180三振と衰えは見られなかった。2000打席以上の選手で全打席に占める四球の割合は4位タイの通算9.7%であり、三振率を最も低い12.1%に抑えている。

【犠打】
1.中島卓也 227
2.田中賢介 165
3.森本稀哲 158
4.鶴岡慎也 135
5.金子誠  132

 06年にリーグ最多の34犠打、07年は当時のパ・リーグ記録である58犠打を成功させた。08年は26、09年は17と主力打者に成長する度に数を減らし、キャリアベストの打撃成績を残した10年以降はひとケタ台で推移している。中島は16年に62犠打を記録して、今宮健太(ソフトバンク)が持つリーグ記録に並んだ。

【盗塁】
1.西川遥輝 245
2.田中賢介 199
3.中島卓也 163
4.陽岱鋼  134
5.糸井嘉男 117

 数は多くても、07年にリーグ最多の14失敗を記録するなど通算成功率71.8%は特筆するほどの高さではない。9割近い確率(86.6%)をマークする西川は遠くない将来、島田誠が持つ球団記録(351盗塁)を塗り替えられそうだ。15年にリーグ最多の34盗塁を記録した中島も、成功率80.3%と高い水準を維持している。

【守備機会】
1.中田翔  7563
2.田中賢介 6584
3.中島卓也 4165
4.稲葉篤紀 3888
5.金子誠  3866

【失策】
1.田中賢介  98
2.小谷野栄一 76 
2.中島卓也  76 
4.金子誠   67
5.西川遥輝  45  

 全ポジションの選手を含めた通算守備機会トップの座を昨季、中田に譲った。それでも補殺と併殺の数で1位をキープしており、最多の失策数も出場試合の多さゆえ。唯一、ゴールデン・グラブ賞の獲得経験がない中島を含めた上位5人がいずれも名手であることを考慮しても、「名誉の負傷」ととらえるべきだろう。

 また、ベストナイン受賞6回は最多で、ゴールデン・グラブ賞獲得5回は稲葉と並んで最多タイ。北の大地に黄金期をもたらした名優がまた一人、ユニフォームを脱いだ。

文●藤原彬

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
 

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