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プロ野球

強打者がひしめく三塁が最激戦区。沢村賞を争った大野と菅野は甲乙つけ難いが…【氏原英明が選ぶセ・リーグベストナイン】

氏原英明

2020.12.15

 沢村賞を獲得した大野雄大(中日)と開幕13連勝で最多勝を獲得した菅野智之(巨人)が評価を二分する。防御率や投球回数は大野、勝利数や勝率では菅野に軍配が上がる。非常に難しい選択だが、6完封を評価して大野とした。ルーキーながら2ケタ勝利を挙げて防御率1点台の森下暢仁(広島)、Q S数 リーグトップの西勇輝(阪神)の好投も光ったが、大野や菅野より上ということはないだろう。

 二塁手は逆に人材不足で選択に迷う。何と言っても山田哲人(ヤクルト)が不本意なシーズンを送ったことが大きい。打率.254、12本塁打、OPS.766と本調子とはほど遠い成績だった。その中で候補となるのが菊池涼介(広島)と吉川尚輝(巨人)だ。

 打撃部門では、ほぼ互角ながら本塁打、OPSなどでやや菊池が上回っている。加えて菊池は二塁手としては史上初のシーズン無失策を達成した。吉川もリーグ優勝に貢献したとはいえ、こうなると菊池を選ぶのが自然だ。
 
 また、打率.252ながら25本塁打、78打点のソト(DeNA)も二塁手として58試合に出場している。アワードでは、このあたりがどう評価されるのかも気になるところだ。

 一塁手は村上、遊撃手は坂本勇人(巨人)、捕手は規定打席に達した選手はいない中で、梅野隆太郎(阪神)を選んだ。
 
投手 大野雄大(中日)
捕手 梅野隆太郎(阪神)
一塁 村上宗隆(ヤクルト)
二塁 菊池涼介(広島)
三塁 岡本和真(巨人)
遊撃 坂本勇人(巨人)
外野 鈴木誠也(広島)
   青木宣親(ヤクルト)
   佐野恵太(DeNA)

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
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