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プロ野球

【1989世代の現在地】菅野と中田が投打で世代をリード、広島3連覇に貢献した「タナキクマル」、遅咲きの花を咲かせた阿部…

藤原彬

2021.01.20

 東洋大で伸びのある速球に磨きをかけた藤岡貴裕は、ドラフトで3球団から1位指名された。ロッテ入団後は1年目から先発ローテーション入りを果たしたが、2年目以降は目立った活躍ができず。日本ハムを経て、巨人に所属した昨季限りで現役を終えた。

■投打とも玄人好みする実力派が目立つ

 プロ入り後に、めきめきと実力を伸ばしている選手が多いのは「89年世代」の特徴だ。

 丸佳浩(巨人)は広島時代に走攻守の三拍子揃ったバランス型として頭角を現した。2年連続でMVPを受賞した18年には、歴代4位の130四球を選びながらリーグ2位の39本塁打を放つなど、近年は打力での貢献度が高い。昨季までは5年連続でリーグ優勝を達成。ゴールデン・グラブ賞に7回選出され、通算1355安打と打率.282で世代をリードする。

 田中広輔と菊池涼介は、丸とともに“タナキクマル”として16年から広島のリーグ3連覇を牽引した。田中は16~18年にいずれも全試合出場を果たして、17年には盗塁王を獲得。菊池はずば抜けた守備力を誇り、プロ2年目から8年連続でゴールデン・グラブを受賞。昨季は二塁手で史上初となる守備率10割の快挙を成し遂げた。
 
 抜群の選球眼とバットコントロールの良さが持ち味の中村晃(ソフトバンク)は、一軍での実働10年で6度も日本一を経験している。昨年はロッテとのクライマックスシリーズでMVPに選ばれると、日本シリーズで優秀選手賞を受賞。短期決戦で仕事人の存在感を存分に見せつけた。

 ロッテ時代にリーダーシップを発揮した鈴木大地は、楽天へ移籍した昨季に通算1000安打を達成。プロ2年目以降はわずか4試合しか欠場せず、チーム事情にあわせて内複数ポジションをこなす汎用性の高さでも貢献している。その鈴木と昨年からチームメイトになった島内宏明は、打率を大きく上回る出塁率の高さが売りで、印象よりも貢献度の高いいぶし銀と呼べる。このオフはFA権を行使せず新たに4年契約を結んだ。
 

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