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ポストシーズンの英雄から“ネトウヨ”陰謀論者へ…“ダークサイド”に堕ちてしまったカート・シリング〈SLUGGER〉

SLUGGER編集部

2021.01.27

●17年5月、当時オリオールズにいたアダム・ジョーンズ(現オリックス)がボストンのフェンウェイ・パークで人種差別的な罵声を浴びせられたと告発した件で、「嘘をついている」「事を大きくしようとしている」と批判。ジョーンズからは「あんたは黒人としてフェンウェイの外野を守ったことがないくせに」と反撃された。

●17年12月、極右メディア『ブライトバート』で始めた自らのラジオ番組に白人至上主義者として知られる人物を招いて意気投合。大きな批判を浴び、放送を収録したポッドキャストは後日、削除された。

●18年2月、フロリダ州パークランドの高校で起きた銃乱射事件の生存者は実は金で雇われた俳優だったとするトンデモ陰謀論に同調。17人もの命が失われた事件を「でっち上げ」扱いし、「ついにここまで来たか……」と多くのファンをドン引きさせた。
 
●21年1月、ここまで来ると何の驚きもないが、ワシントンDCの議事堂に乱入したトランプ支持の暴徒たちを「民主主義と政府の腐敗に対して立ち上がった」と擁護。もちろん、大統領選挙で不正があったと信じてのコメントだ。

 今日発表された殿堂入り投票では、あと16票足りずに落選となったが、こうした過激な言動がマイナスとなったことは火を見るよりも明らかだ。シリング自身、メディアのせいで殿堂入りを逃したと思っているようだが、それは違う。明確な政治信条を持つことと、デマや陰謀論に加担することは次元が違う。「ジャーナリストをリンチしろ」という考えに同意する人間が、他ならぬ記者からの支持を得るのはさすがに難しいだろう。むしろ、70%以上の投票率を得たこと自体が驚きと言えなくもない。

 いつの間にか超えてはいけない一線を超えてしまったシリングが、“ダークサイド”から戻ってくる日は来るのだろうか。

構成●SLUGGER編集部
 
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