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MLB

宿敵相手の“マダックス”達成やダルビッシュとの対決…田中将大がMLB7年間で魅せた珠玉の7登板〈SLUGGER〉

藤原彬

2021.01.29

■良き兄貴分とマウンドで再会
(17年6月23日レンジャーズ戦)

 ともに球界最高級の投手として日本でしのぎを削り、田中にとって「一番身近な先輩」でもあるダルビッシュ有との対決は、試合前から大きな注目を集めた。雨で開始が約1時間遅れ、試合中も小雨が降りしきる中、約6年ぶりに激突した2人はスコアボードに0を刻み続ける。田中が8回を投げて9三振を奪い無失点(被安打3)に抑えれば、ダルビッシュも7回で10奪三振の無失点(被安打2)と譲らず、ともに勝敗はつかず。2人が降板した後の延長10回にヤンキースがサヨナラ勝ちしたが、ダルビッシュはこの試合を「一生の思い出」と表現している。

■大舞台で勝負強さを発揮
(17年10月8日インディアンス戦)

 2年ぶりのポストシーズンでの先発マウンドは、ヤンキースが0勝2敗で迎えた地区シリーズ第3戦。この試合に負ければ敗退という土俵際の状況だったが、田中は持ち前の大胆かつ繊細な投球を披露する。3回まではいずれも打者3人で終わらせ、4回には一死から三塁打を浴びながら2者連続三振に斬った。無失点のまま7回で降板すると、直後に味方が先制点を挙げて勝利投手に。重圧のかかる登板を「おいしい場面」と言ってのけた田中に勢い付けられ、チームは第4、5戦も勝ってリーグ優勝決定シリーズへ進出。田中はそこでも好投を続け、「大舞台で強い投手」との評を決定付けた。
 
■4度目の挑戦で初の開幕戦白星
(19年3月28日オリオールズ戦)

 日本人選手では最多となる通算4度目の開幕投手を任され、初の開幕戦白星を手にした。初回に幸先良く3点の援護を受けた田中は、新球ナックルカーブを織り交ぜて2回から4回まで8者連続で三振を奪う快調な投球。6回途中83球で2失点としっかりゲームメイクして余力を残しながら降板し、あとは自慢のリリーフ陣が締めてチームは7対2で快勝。過去3度は0勝2敗で防御率9.49と打ち込まれていた開幕戦の呪縛を解き、「一つ成長した姿を見せられたとは思っています」と胸を張った。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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