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プロ野球

ロッテの若い力が沖縄最終戦で躍動!安田、藤原らが見せたレギュラー獲りへの意地

岩国誠

2021.02.22

 もう一人の旗頭・藤原恭大が存在感を見せたのは、俊足を存分に活かした”守備”だ。

 安田がホームランを放った直後の3回裏。無死一塁の場面で、DeNA9番・関根が初球を強振。バットの先のほうに当たったせいか、スライス回転がかかり、センターからレフト方向へどんどん切れてくような難しい打球となったが、中堅・藤原がレフトと交錯するくらいのところまで追走すると、目一杯に腕を伸ばしてスーパーキャッチ。続く1番・田中俊太の打席では、前進守備の頭上を越されようかというライナー性の打球を背走キャッチ。いずれも後逸すれば、失点は免れない打球を、好守連発でしっかり掴み取った。

 この2つの守備について尋ねると「その前に、走塁ミスがあったので、なんとか取り返したいという気持ちだった。いつも以上に気を入れて(打球に)取り組みました」と、汚名返上を誓っての献身的プレーだったことを明かした。

 藤原が指摘した走塁ミスは初回、先頭打者として3試合ぶりの安打で出塁。2番・菅野が右打ちし、二塁ゴロで自らが二塁へ進塁。先制の御膳立てができたところで、3番・中村の二直打で帰塁できなかったところであろう。
 
 長いシーズン、レギュラーとして戦っていく中で、全くミスなく終えることは難しい。そういうミスをどうやって取り返していくのか。この日の藤原の守備への姿勢は、レギュラー獲りへの大きなプラス材料となるだろう。

 旗頭2人の奮起が呼び水となったのか、同点で迎えた9回2死から打線が粘りを見せた。エラーと内野安打で一、二塁とチャンスを作ると、途中出場の福田光輝が左前適時打。土壇場で勝ち越し、沖縄最終戦を勝利で締め括った。

 その福田光は13日の楽天戦。一死二、三塁のチャンスで回ってきたが、1度もバット振ることができず見逃し三振を喫していた。

 しかし、この日は2球で追い込まれながらも、そこから際どいコースを徹底的にカットし、相手バッテリーとの根比べを制して、最後に仕留めて、ミスを取り返した。「最後にあそこで粘って、バッティングできるというのが今年の成長」と、井口監督からも評価を勝ち取っていた。

 若手中心で挑んだ沖縄での練習試合。雨で2試合流れたものの5試合を消化し、課題を露呈しながらも、それを糧にし、着実に成長している姿を随所に感じさせた。ロッテにとって、去年以上の結果が求められる2021シーズン。そのためには若い力の台頭が必須条件となってくる。

 23日からは宮崎、その後は高知、大阪での試合が組まれている。そこには、石垣で調整を続ける主力クラスも随時合流してくる予定だが、若い力が結果で彼らを押し除け、開幕スタメンに名を連ねることを大いに期待したい。

取材・文●岩国誠

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