“メンタルモンスター”とは、周りに心配されるより明るく接してもらいたいという気持ちが強い西浦らしい表現だが、何も考えず強がるような人間ではない。そこには「必ず復帰してやる」という強い信念が込められている。

　最後に西浦はサラリとこんな言葉を話した。「多分、気付いたら帰ってきてます」。おそらく西浦は、ファンやチームメイトが難病だったことを忘れさせるぐらい自然な形で、バファローズのユニフォームに袖を通し、再びグラウンドに戻って来る姿をイメージしているのだろう。
  　こうした西浦の言葉を聞くと、逆にこちらが励まされる。西浦の頑張りは、チームにもいい意味で大きな影響を与えるはずだ。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ／1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第９回 特集オリックス・バファローズ』（カンゼン）ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。

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